地域に関する問題では、地域・コミュニティの概念と、都市化・過疎化の問題が重要です。
ここでも、キーワードの定義や意味がポイントになります。
◆地域とコミュニティ
「地域社会」とは、人々が共同生活をする基本的な場所である「地域」のうえに展開される社会のことで、「コミュニティ」とも呼ばれています。
マッキーバーは、コミュニティの要件として、①一定の地域性、②共同生活、③共属感情(われわれ意識)をあげています。
コミュニティには様々な規模があり、その例として、近隣集団、村落、都市、国民国家があげられ、(個人・家族を中心としてだんだん広がる)同心円的な広がりをもっています。
これに対し、地域を基盤として、個々人の特定された関心に基づいて、人為的に形成された集団を「アソシエーション」と呼んでいます。
◆都市化と過疎化
「都市化」とは、「特定の社会の中で都市に住む人口が増加し、都市の規模が大きくなっていくいことだけでなく、都市的な生活様式、社会関係が浸透していくこと」を指します。
わが国では、戦後の経済成長期に農村から都市への人口移動があり、都市化が進んできました。
都市部においては人口の密集と人間関係の希薄化が進み、最近ではファストフード化、コンビニ文化などと呼ばれています。「匿名化社会」ともいわれ、犯罪の増加など社会問題になっています。
また、都市の中心部の発展に伴い、そこに居住する人口が減少する「都市の空洞化(ドーナツ化)」と呼ばれる現象も起こっています。
「過疎化」とは、人口が減少し、経済活動の衰退や生活環境の悪化が起こり、最終的には集落が消滅してしまうことをいいます。
わが国では、都市化と高齢化に伴い、防災・教育・保健といった生活基盤が維持できなくなる「過疎問題」が深刻になっています。
特に、高齢化率が50%を超え、冠婚葬祭など地域の共同体機能の維持が困難な集落を「限界集落」と呼び、近年増加してきています。
限界集落は、中国・四国・九州に多く、その数は、2011(平成23)年4月時点で1万集落を超え急激に増加しています。
このほか、大都市圏で開発された巨大な団地などは、住民の入居時期がほぼ同時期で、近い世代の人が入居しているため、住民が一斉に高齢者となり、コミュニティの崩壊が起こる「限界コミュニティ」も問題になっています。
限界コミュニティでは、道路や水道などの社会インフラは整っていますが、学校の統廃合、商店街の衰退、高齢者向けのサービスの確保などが課題になっています。
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