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個人の権利を守る制度・消費者の保護

個人の権利を守る法制度では、「成年後見制度」「日常生活自立支援事業」「高齢者虐待防止法」「障害者虐待防止法」「児童虐待防止法」などが特に重要ですが、ここでは消費者保護に関する制度と個人情報保護について説明します。

 

最近、虐待や悪徳商法、詐欺など社会的弱者の権利や尊厳を侵害する事件が多発しています。

高齢者や障害者などと身近に接する機会の多い介護福祉士は、関連する法制度の知識を持つことが期待されていることから、消費者保護に関する問題は出題される可能性が高いと思われます。できるだけ覚えるようにしましょう。

 

①消費者基本法

 

消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立支援」を基本理念とした、消費者政策の基本となる法律で、わが国の消費者政策は、この法律に添って進められます。

 

この法律は、昭和43年に制定された「消費者保護基本法」がその後の急速な経済成長、販売方法の多様化、IT化や国際化の進展などの消費者を取り巻く環境の著しい変化を背景に、消費者が安全で安心できる消費生活を実現させるために、平成16年に改正され「消費者基本法」となったものです。

 

消費者基本法では、「消費者の権利の尊重」とともに、消費者が保護される立場としてだけではなく自主的・合理的に行動できるように支援していくことが規定されています。

 

また、消費者基本法の制定によって、「消費生活センター」が、消費者保護を目的とした都道府県・市町村(特別区を含む)の行政機関として設置されました(名称は設置する自治体によって違うところがあります)。

 

消費生活センターでは、主に以下の仕事を行っています。

・消費生活相談:消費生活全般に関する相談

・サービスへの苦情や相談、問題解決など

・情報提供・啓発活動:消費者被害の未然防止、暮らしに役立つ情報の提供など

・その他:生活用品や食品の品質・性能についての商品テストなど

 

消費者問題を取り扱う国の機関としては、消費者庁(2009年発足)と国民生活センター(1970年設立、2003年独立行政法人化)があります。

国民生活センターは、国民生活の安定と向上に寄与するための調査・研究、情報の提供を行い、事業者と消費者との間に生じた紛争の合意による解決なども行っています。

また、消費者庁の発足により、統一電話番号による「消費者ホットライン」が展開されており、最寄りのセンターに電話がつながり、2015年7月1日からは「イヤや!」の語呂合わせとなる「188」番でも受付するようになりました。

②消費者契約法

 

消費者契約法は(平成12年制定、翌年施行)、商品取引を巡る契約に関する法律で、次のような場合に消費者は契約を解除できることとなりました。

 

・事業主が勧誘に際して、重要事項について事実と異なる説明をし、消費者が誤認 して契約を行った場合

・将来的な変動が不確定なことを断定して契約した場合

・消費者に不利なことを故意に説明せずに契約した場合

・事業主に帰ってほしいと言っても帰らないで契約した場合

このような場合に、誤認等に気づいて6か月以内、契約時から5年以内で、すべての契約に適用されます。

 

③クーリングオフ制度

 

クーリングオフ制度とは、訪問販売などで、商品の購入、クレジット契約、生保・損保保険契約などを行った場合、一定期間内であれば、販売者側に書面で通知することによって、無条件で契約を解除できる制度です。

店舗に出向く、通信販売を利用するなど消費者が自分の意志で購入した場合は該当しません。

 

一定期間とは、訪問販売や保険契約など多くのものは8日間、マルチ商法などは20日間です。

 

※特定取引法及び割賦販売法の改正 クーリングオフ制度もこれらの法律に基づく制度ですが、最近の高齢者に対する悪徳訪問販売や、インターネット取引でのトラブルなどに対応するために、訪問販売、クレジット業者、インターネット取引への規制の強化などについて法律の改正が行われました。

 

④製造物責任法(PL法)

 

製造物責任法は、製造者の責任を定めた法律のひとつです。

 

製品の使用中、消費者が生命、身体または財産に損害を受けたとき、それが製品の欠陥によるものであったことを証明できれば、損害賠償が受けられるというものです。

製造者の「故意、または過失」とは無関係に賠償を受けることができます。

 

⑤消費生活用品安全法

 

消費生活用品安全法(昭和49年施行)は、一般家庭向けの製品による危害を防ぐため、国が事故情報を集めて提供することなどを定めた法律です。

 

平成18年の改正で、死亡・火災など重大事故が発声した場合、製造業者等に、製品の欠陥が原因と判明してから10日以内に報告することが義務づけられました。

 

また、平成19年の改正では、ガス瞬間湯沸かし器など、経年劣化により危険が生じるおそれがある場合には、標準使用期間・点検期間等を表示する長期使用製品安全点検・表示制度が創設されました。

 

子どもの安全を守るための安全なライターなどもこの法律によるものです。

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