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介護を必要とする人の理解1

よい支援を行うには、対象となる人の状態をよく理解する必要があります。ここでは、介護を必要とする人の特徴やおかれている状況を理解しましょう。

 

(1)人間の多様性・複雑性の理解

 

人間は、誕生から老年期、死に至るまでのライフサイクルを経験しながら生きていき、その各時期にそれぞれの発達課題があるとされています。

 

この発達課題は、人が生きてきた環境や文化的背景などの社会との相互作用により、人それぞれ違いがあり、ライフサイクルの個性化が生じてきています。

 

介護福祉士は、この個別性を理解し、一人ひとりの価値観や志向を踏まえて、どのようなことが生活上の支障となっているかを見極めた、「個別ケア」の視点を持つことが重要です。

 

また、利用者を主体的な存在ととらえ、心理的・社会的側面にも配慮し、「その人らしさ」を尊重して援助に当たることが必要です。

 

(2)生活障害と生活ニーズ

 

生活障害とは、病気や障害、加齢などによって、それまでできていた生活動作が困難になることを指します。

 

生活障害を考える場合、単に(麻痺や筋力低下など)身体機能の「障害」としてとらえるだけでなく、生活動作(移動や着替え、食事など)にどのような支障が起こっているかという視点をもつことが必要です。

 

利用者に、どのようなことが生活ニーズとなっているかは、一律の基準があるわけではなく、その人の置かれた生活環境・生活歴などの背景や価値観、また地域や時代によっても変わってきます。

 

それを踏まえて、どのようなことが利用者の生活に支障をきたしているかを的確に把握し、解決方法を導き出すことが大切です。

 

(3)高齢者のくらしの実態

 

①健康状態

 

・2012(平成24)年の高齢者の健康に関する意識調査によると、55歳以上調査対象者の過半数が健康状態について「よい」「まあよい」としている。

・ただし、年齢階級別にみると,「よい」は 55~59 歳では 42.7%を占めているが,年齢階級が上がるほど,「よい」の割合は低くなる傾向がみられ、80歳以上では14.6%となっている。

 

・2010(平成22)年の「人口動態調査」によると、高齢者の死亡場所別の構成割合は、病院77.9%、自宅12.6%、老人ホーム3.5%などとなっている。  また、高齢者の家庭内事故が増加しており、家庭内事故の死亡者数では溺死、窒息が多い。

 

・2011(平成23)年の厚生労働省の調査によると、全国の医療施設での受療患者数は、65歳以上高齢者が入院の約68%、外来の約45%を占めている。

 

・高齢になると身体的・生理的な機能低下が起こり、予備力の低下(とっさのときに反応できない)がみられる。

 

・高齢者は、環境への適応力が低下し、生活環境の変化が心身の健康に影響を及ぼすことが多い。

 

・2010(平成22)年の「国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった原因は、脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱の順になっている。

 

②世帯

 

我が国では、少子高齢化と核家族化が進み、一人暮らし高齢者と、高齢者のみ世帯の増加が目立っています。

 

・2010(平成22)年の「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は、世帯全体の4割強に上り、そのうち高齢者単独世帯と、夫婦のみ世帯がそれぞれ半数近くを占めている。

 

・昭和61年には、高齢者の4割以上が子供世帯と同居していたが、平成22年にはその割合は2割以下となっている。

 

・1997(平成9)年以降、「高齢者のいる世帯」は「児童のいる世帯」を上回っています。

 

③高齢者の所得

 

・2010(平成22)年の「国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の1世帯あたりの平均所得金額は、約308万円で、そのうち年金・恩給による収入が最も多く約7割を占め、次いで稼働所得によるものが2割弱となっている。

 

・同調査による所得金額階級別の世帯数分布では、年収250万円未満が母子世帯で55%、高齢者世帯で49%となっている。また、世帯員1人当たりでは、母子世帯で約97万円、高齢者世帯で約198万円となっており、高齢者世帯では、所得格差が大きいことが特徴となっている。

 

・高齢者の生活意識については、「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した世帯が51.5%となっている。

 

④レクリエーションと社会活動

 

レクリエーションは高齢者にとって、心身の健康を維持し、QOLを高めるのに有効な手段として、積極的に取り入れられてきています。

 

・2008(平成20)年の「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」では、1年間に高齢者が参加した活動は、「健康・スポーツ」「地域行事」「趣味」などが多く、約6割の人が活動に参加しており、増加傾向にある。

 

・高齢者のためのレクリエーションは、老人クラブを中心に盛んになってきており、高齢者施設においても、機能訓練の一環として活動が行われている。

 

・レクリエーションは、転倒予防、感染予防、閉じこもり予防など、介護予防にも有効であり、日常生活の活性化が重要な視点となる。

 

・高齢者のレクリエーションにおいては、高齢者の多様性に対応したプログラム活動が必要となる。身体機能の維持向上を目的とするもののほか、学習能力向上のためのプログラムも有効である。

 

・高齢者のレクリエーションでは、グループによる活動が有効であるが、その中でも個別性を尊重し、一人ひとりの目標を設定して実施することが必要である。

 

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