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生活支援1

(1)生活の理解

 

生活とは、「生命の維持に不可欠な活動であり、人間として尊厳のある営みが続くこと」と定義されます。

 

人間は社会的な動物であるため、人間の生活には、生物としての営みという側面と、社会的な存在としての側面があり、以下の3つの分類で捉えることができます。

 

①基礎生活

生物としての営みである、食事、排泄、入浴、更衣など、ADL活動。

②社会生活

社会的な営みである、人間関係の維持・構築や、教育、仕事、ボランティア、地域活動などの活動で、IADLを行うことによって実現可能となります。

③余暇生活

自己実現に向けた活動で、趣味、旅行、スポーツ、賭けごと、芸術活動など、生きがいのもてるような活動です。

 

一人ひとりの生活にはそれぞれ違いがあり、利用者本人が主体となって、尊厳のある生活を営むためには、多岐にわたる側面の充実が求められます。

 

自分の価値観に基づいて、自分らしい生活を目指しながら生活していくことを「生活経営」と言います。

 

(2)生活支援とは

 

●生活支援の範囲

 

介護福祉士は、高齢や障害のために日常生活に支障がある人が、その人らしい自立した日常生活を送ることができるよう支援します。

一人ひとりの生活を尊重した支援を行うために、介護福祉士は、利用者の心身の状況に合わせた介護(ADLだけでなく、IADLの向上を目指した介護)を行い、利用者の生活全般にかかわる支援を行うことによって、利用者の生活の自立とQOLの向上を目指していきます。

 

●ICFの視点からの生活支援

 

ICFでは、障害をマイナス要因としてのみとらえるのではなく、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」を含む「生活機能」という枠組みでとらえ、「健康状態」との相互作用や「環境因子」「個人因子」という背景との相互作用を重視しています。

つまり、心身機能や身体構造が障害を受けている場合、それと相互に作用する「健康状態」「環境因子」「活動」に対して働きかけを行うということになります。

 

この中の「活動」に関してICFでは、将来どのような活動をしたいかという「する活動」を目標に設定し、その目標に向けて現在行っている「している活動」と持っている能力である「できる活動」をアセスメントします。

その上で、「できない部分を援助する」という考え方でなく、「できる活動」と「している活動」に働きかけ、目標である「する活動」に近づけていくことが重要です。

 

このように、ICFの視点に立った生活支援とは、生活機能を向上させるために、利用者を取り巻く環境や、心身機能・身体構造、活動、参加に働きかけ、利用者のストレングスを活かして、QOLを高めていくよう支援することです。

 

(3)生活支援と介護予防

 

生活機能を向上させる生活支援を行うためには、介護予防の視点が重要です。

 

介護予防とは、

①高齢者が要介護状態となることをできるだけ予防すること、②要介護状態になってもそれ以上悪化しないようにすることを指し、心身機能の維持・改善や環境への働きかけを通して、利用者のQOL(生活の質)を高めるよう、総合的に支援することを目的とします。

 

高齢者が要介護状態となることを予防するには、脳血管疾患など様々な疾病の原因となっている「生活習慣病」の予防や、寝たきりの原因となる「廃用症候群(生活不活発病)の予防が重要です。

 

廃用症候群は、長期の臥床や不活発な生活などにより、身体や精神の機能を使わない状態が続いたことによる機能低下の総称です。 廃用症候群が起こると、関節の拘縮や褥瘡など身体機能の低下だけでなく、知的機能や意欲の低下なども起こり、生活機能全体の低下につながります。

 

主な廃用症候群は以下の通りです。

 

・関節拘縮

長い寝たきりなどで関節が固くなり、自動的にも他動的にも動きが制限された状態。無理に動かすと痛みを伴う。

 

・骨粗鬆症

閉経後の女性に多い病気で、骨のカルシウム量が減少し、骨密度が低下して、骨がもろくなる。また、臥床が続き動かさなくなると、重力などによる刺激も低下して、さらに骨が弱くなる。

 

・筋萎縮・筋力低下

筋萎縮は、筋肉を作っている筋組織が細くなったり縮んだりした状態で、筋肉がやせ細り、筋力低下を起こす。筋肉を使わないことが主な原因。

 

・起立性低血圧

臥位から座位や立位になるときに、血液は下肢や腹部に移行しますが、このときに血圧のコントロールがうまくいかず、低血圧となり、立ちくらみを起こす。吐き気を起こすこともある。

 

・褥瘡

寝たきりなどにより、同一部位の持続的な圧迫があると、その部分の組織が壊死を起こす。仙骨や肩甲骨、踵部など、骨の突出部にできることが多い。

 

・精神機能低下

刺激の少ない状態が続くと、精神的な働きが鈍くなり、知的能力や意欲の低下、依存、自発性低下、食欲低下、睡眠障害などが起こり、感情や行動の異常、認知症に至ることもある。

 

・静脈血栓症

長時間動かずにいると、静脈内で血液が停滞し、血栓ができることがある。この結果、静脈がつまった状態になり、うっ血や浮腫を生じる。

 

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