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自立に向けた身じたくの介護1

(1)身じたくの意義と目的

 

身支度とは、洗顔、歯磨き、整髪、爪の手入れ、着替え、化粧などのことを指し、外部環境や危険物から身を守る、体温調節、清潔保持などの意義があります。

この他、生活のリズムを作ることや、自己表現の手段となるなど、精神面にも大きく影響します。

 

身支度の介護を行う際には、利用者の個別性を尊重し、「できること」「できるであろうこと」を利用者とともに考え、その人らしい健康な生き方ができるよう、支援することが大切です。

 

(2)身じたくに関する利用者のアセスメント

 

身じたくに関するアセスメントを行う際にもICFの視点に立ち、目的・目標(する活動・したい活動)、現状(している活動)、能力(できる活動)を把握します。

 

また、「身じたく」という行為自体は生活機能の中の「活動」に該当しますが、「心身機能・身体構造」や「参加」、「個人因子」や「環境因子」、「健康状態」とどのようにかかわっているかを総合的に評価することが必要です。

 

(3)整容に関する介護

 

整容の行為の自立には、座位の安定と上肢のスムーズな動きが必要です。どちらかに障害がある場合は一部介助が必要となりますが、利用者の残存機能を活かし、できるところはやってもらいながら介助します。寝たきりや認知機能の障害などで、全介助が必要な場合も、できるだけ利用者がかかわれるように支援します。

 

●洗面の介助

洗面には、顔面の皮脂や汚れを落とし清潔を保持するとともに、血流を促進する効果があり、爽快感をもたらします。また、生活のリズムを整えることにも役立ちます。

洗面台での洗面ができない場合は、熱め(40℃前後)の湯でしぼったハンドタオルを利用者に渡し、できるだけ自分でできるよう促し、拭き残しがないよう声掛けをします。 全介助の場合は、本人の意向を聞きながら行いますが、目や鼻の周囲は皮脂がつきやすいので丁寧に行います。 介助を行う際は、目頭から目尻にかけて行うと、感染予防になります。 洗面後は、必要に応じてローションやクリームを使い、皮膚を保護します。

 

●ひげそり

ひげは、1日に約0.4㎜伸び、日本人の男性では、1日に1回ひげを剃ることが一般的ですが、ひげを伸ばすかどうかや剃る方法は人それぞれ好みが違いますので、できるだけ利用者の希望に沿うようにします。

ひげそりの介助をする場合は、以下の点に注意します。 ・電動ひげそりを使うか、かみそりを使うか、など利用者の好みを聞く。 ・電動ひげそりは、伸びすぎたひげや顔のくぼんだ部分はそりにくいことがある。 ・かみそりを使う場合は、蒸しタオルでひげを柔らかくしてから行い、シェービングクリーム等をひげにつける。 ・ひげそりは、皮膚を伸ばし、傷つけないように細心の注意を払う。 ・電動、手動ともかみそり負けをしやすいので、ひげそり後にはクリーム等で皮膚を保護する。

 

●爪切り

爪は切らずにいると、巻き爪や爪肥厚など変形の原因となり、指先の動作や歩行の障害になったり、皮膚や衣類を傷つけたりすることもあります。また、爪が伸びていると不衛生になり、爪白癬(爪の水虫)の原因にもなります。

高齢者の爪は、もろくて割れやすいため、力を入れすぎず、切り過ぎないことが大切です。また、入浴(指浴・足浴)後や蒸しタオルを当てた後は、爪が柔らかくなり、安全に行うことができます。

足の爪は、まっすぐ横に角を残して切ると巻き爪になりにくくなりますが、手の爪は、角をなくした方が指を使いやすくなります。

爪切りは、介護職にも認められるようになりましたが、爪や皮膚状態に異常が認められる場合は、速やかに医療職に報告する必要があります。

 

●整髪

整髪は、頭髪・頭皮の健康維持の他、気分転換や社会性の維持のために大切な行為です。高齢者や障害のある人は、整髪がおろそかになりやすい傾向にあるので、起床時や入浴後、外出時など、適宜観察し、声をかけるようにします。

整髪の介助は、利用者の意向を聴きながら丁寧に行います。一部介助が必要な場合は、できるだけ利用者に行ってもらい、できない部分を整えます。可能であれば鏡を見てもらい、確認しながら行うようにします。

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