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自立に向けた食事の介護1

(1)食事の意義と目的

 

食事は、必要な栄養素を摂取し、身体の健康を維持・増進することのほか、利用者の生活を楽しくし、生活の質を向上させるものであることが大切です。

 

そのためには、利用者の生活歴や好み、文化的背景などの食の嗜好性を尊重し、利用者の状態に応じた食事形態や食べるための道具・食器などに工夫をして、利用者が自分の意思でおいしく食べられるよう支援することが大切です。

 

(2)食事に関する利用者のアセスメント

 

食事の介護に関するアセスメントでは、利用者の身体的な側面だけでなく、精神的側面や環境にも着目し、利用者の状態を総合的に把握する必要があります。

 

主な観察ポイントには、以下のようなことがあげられます。

 

身体的側面

・食事にかかわる身体部分に麻痺・拘縮・筋力低下はないか。

・感覚機能に障害はないか。

・消化器・口腔内の状態。

・摂食・嚥下の動作は可能か

・食事の場所までの移動ができるか

・座位は可能か、

 

精神的側面

・食事に関する意欲はあるか。

・認知機能の低下はないか。

・料理や味付けに好みはあるか。

・食事制限などのコントロールはできるか。

・食事に関するコミュニケーションはとれるか。

 

環境的側面

・食事をする場所の状況。

・一緒に食事をする人はいるか、

介護者はいるか。

・経済状態はどうか。

 

(3)「おいしく食べる」ことを支える介護

 

●食事の環境づくり

 

利用者が食事をおいしく安全に楽しむことができるためには、環境を整え、適切に準備をしておくことが大切です。主な準備としては、以下のようなものがあげられます。

 

①食事の前に排泄を済ませる。

 

②食事場所を整える

寝る場所と食事をする場所を別にすることを「寝食分離」といいます。座位がとれる場合は、できるだけベッドから離れて食事ができるよう支援します。

 

③食事をとりやすい姿勢にする

食事時のいすは、足が床について安定した姿勢がとれる高さにし、テーブルは、肘が楽に置ける程度の高さにします。

やむを得ずベッド上で食事をする場合でも、できるだけ食事にふさわしい場所にするよう支援します。

また、誤嚥を防ぐため、30度くらいにベッドを起こして頸部を前屈させるようにします。

片麻痺のある場合は、健側をやや下にした側臥位にし、健側から介助を行うようにします。

 

④食事をとる体制を整える

手や口腔内(食前の洗口は口中の粘りを取り食欲を増加させます)を清潔にします。

義歯があるときはきちんと装着し、必要に応じてナプキンやエプロンを用意します。

 

(4)安全で的確な食事介助の方法

 

食事中・食後の介助は、以下のような点に注意して行います。

 

・介護者は、利用者と同じ高さになるようにいすなどに座り、食欲が出るように言葉をかけます。

・最初は、水分で口の中をうるおし唾液の分泌を促すよう、汁物を薦めます。

・利用者のペースに合わせて、嚥下するのを確認しながら、一口ずつ口に運びます。

・流動食は、利用者の口角から注ぎます。

・片麻痺がある場合は、利用者の健側に座り、健側の口角に下か横から食べ物を入れると誤嚥しにくくなります(上方向からでは誤嚥しやすい)。

・低栄養や脱水を防止するため、食事や水分の摂取量を確認します。

・食後はお茶などを勧めて、口の中をすすぐと同時に食事が終了した雰囲気を出します。

・歯磨き、または洗口(含嗽)を行い、口の中を清潔にします。

・消化を助けるために、食後30分程度は安楽な姿勢を保ちます。

 

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