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自立に向けた食事の介護2

(5)利用者の状態・状況に応じた介助の留意点

 

●嚥下障害のある人の食事の介助

 

食事をするという認識をしてから、食べ物を飲み込むまでは、以下のような過程を経て行われます。

 

①先行期

食物が口に入る前に、その形や量、質などを認識する。

②準備期

食物を咀嚼し、唾液と混ぜて、飲み込みやすい形状(食塊)にする。

③口腔期

舌の運動によって、食塊を口腔から咽頭へ送り出す時期

④咽頭期

食塊を咽頭から食道へ送る時期  このとき、軟口蓋が鼻腔をふさぎ、次に喉頭蓋が気管をふさいで食物が気管に入るのを防ぐ

⑤食道期

食塊を食道の入口から胃へ送りだす時期、下部食道括約筋により、胃からの逆流を防いでいる

 

誤嚥は、食物を咀嚼してから食道へ送るための一連の動作がうまくできなくなることで起こります。

誤嚥しにくい食べ物として、プリン、ヨーグルト、とろろ状のものやかゆ状、ポタージュ状のものなどが挙げられます。

固いものや餅・海藻などの粘着性の強いもの、パサパサしたものや水分の多いもの、刻み食など食塊を作りにくいものは誤嚥しやすいとされています。また、豆やこんにゃくなども喉につまらせやすいので注意が必要です。

ゼリー状にする、とろみをつけるなど、誤嚥しにくい状態にして提供します。

この他、酸味や辛みの強いものや熱すぎるものなどもむせやすいので注意が必要です。

 

誤嚥しにくくするためには、座位をとり、やや前かがみで顎を引いた姿勢がよいとされています。高い位置からの介助では、利用者の目線が上がり、顎も上がってしまうので、誤嚥しやすくなります。

 

嚥下障害のある人への食事介助では、以下のような注意が必要です。

 

①意識がしっかりしているときに食事をする

②一口量を少なくして食べ物を口腔の奥でなく舌の上にのせる

③食べ物を口に入れたら口を閉じてもらい、首を前に曲げるようにして飲み込む

④利用者のペースに合わせ、ゆっくりと行う

⑤利用者の状態を観察し、危険を感じたらすぐに中止し、様子をみる

 

●食事療法が必要な人の食事介助

 

糖尿病の利用者の場合は、糖質・脂質のとりすぎを避け、指示されたカロリー摂取量を守り、バランスのとれた食事を摂ることが大切です。

 

高血圧の利用者の場合は、塩分の制限が必要です、高血圧治療ガイドライン2009年版では、高血圧患者の塩分摂取量の目標を1日6g未満としています。

 

●視覚機能が低下している人の食事の介助

 

視覚障害者に対しては、テーブルの上を時計の文字盤にたとえ(手前が6時、向い側が12時)るクロック・ポジションを利用して食品の位置を知らせます。

 

脳の障害などにより、見えない範囲がある場合は、介護従事者は見えない側を補助し、見えない部分に熱いものなどを置かないように注意します。

 

●運動機能が低下している人の食事の介助

 

片麻痺などで上肢の機能に障害がある人には、使いやすい食器や自助具を使って、できるだけ自分で食べられるよう支援します。

片麻痺のある利用者への食事介助では、健側の口角の横か下から食物を入れるようにします。

 

●脱水の予防

 

脱水とは、水分や電解質が不足した状態のことで、口腔や舌、皮膚が乾燥し、頭痛や吐き気、痙攣などで、生命にかかわる場合もあります。

高齢になると、身体の水分量が減少する上、喉の渇きを感じにくくなったり、排尿を気にして水分摂取を制限したりするため、脱水症状に陥りやすくなります。

人体の約60%は水分で、1日に約2500ml(食事等から1000ml+水分として1500ml)の水分摂取が必要とされています。

介護従事者は、水分摂取量の他、皮膚や口唇の乾燥、下痢や便秘、尿量などを観察することが大切です。

 

(6)他の職種の役割と協働

 

●医師、看護師

食事の状況は、利用者の健康状態と密接な関係があります。介護従事者は、利用者の食欲や食事・水分の摂取量、食事の仕方などを観察し、体重減少や嘔吐など、いつもと違う状況があれば、速やかに医療関係者に報告します。

 

●歯科医師、歯科衛生士

義歯の不具合や口腔内の状態が悪化し、口腔機能が低下している場合は、食事摂取に悪影響を与えます。歯科医師や歯科衛生士などと連携し、口腔機能が改善するよう支援します。

 

●栄養士・調理師

食欲が低下している、嚥下状態が悪化している、治療食が必要であるなど、利用者の状態に合わせた食事が提供できるよう、栄養士・調理師などと情報を共有することが大切です。

 

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