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自立に向けた入浴・清潔保持の介護1

(1)入浴の意義と目的

 

入浴や清拭には、生理的・心理的・社会的効果があります。身体機能の低下や認知症などで、自力での清潔保持が難しくなっても、できるだけ本人の力を活用しながら、清潔を保つための援助を行いましょう。

 

入浴や清拭には以下のような効果があります。

 

・身体の清潔保持ができ、感染予防につながる

・血行を促進し、新陳代謝を促すことにより、傷や褥瘡などの回復につながる

・適度な体力の消耗やリラックスすることにより、安眠をもたらす

・保温効果や疲労回復により 食欲増進、ストレス解消など精神的に活性化させる効果がある

・胃腸の働きが活発になり、排便を促す

・身体が清潔になり体臭を防ぐことにより、よい対人関係の形成につながる

 

このほか、入浴時に温まった四肢を動かすことによって、固まった関節可動域を広げるリハビリテーションの効果もあります。

 

(2)入浴に関する利用者のアセスメント

 

入浴や清拭は、利用者の全身の状態が観察できる機会であるとともに、気分が爽快になり、コミュニケーションをとるにもよい機会となりますが、体力の消耗が大きいうえ、火傷や溺水、転倒などの危険性やプライバシーの問題も存在します。

 

入浴や清拭の介助を行う際は、利用者の状態をよく把握し、適切な方法や手順で援助を行う必要があります。

入浴や清拭に関するアセスメントでは以下のような点に留意します。

 

・健康状態

既往歴や現疾患、皮膚の状態、感染症、入浴時のバイタルサイン、服薬状況など

 

・身体的側面

麻痺・拘縮などの障害、移動・移乗の状態、感覚機能の状態など

 

・精神的側面

認知機能の状態、意欲、気分の状態など

 

・環境的側面

入浴場所の状態、介護者の状態、人間関係、緊急時の体制など

 

・個人的側面

生活習慣、清潔に関する価値観、経済状況など

 

(3)爽快感・安楽を支える介護

 

入浴の介助を行う際は、安全で楽しく入浴できるように、環境面や介助の方法に配慮する必要があります。

 

また、利用者の残存機能を活かし、できるだけ自分で行ってもらうとともに、プライバシーや羞恥心に配慮することが求められます。

 

入浴の介助では、以下のような点に留意します。

 

・入浴の前後に健康状態を確認する。

バイタルサインや皮膚の状態、表情など。異常がみられる場合は入浴を中止する。

 

・脱衣室、浴室を暖かくしておく

高齢者は、皮膚感覚や体温調節機能が低下しているため、ヒートショック(急激な温度の変化による身体の変化)をおこしやすい。

 

・湯温を確認する。

42℃以上では、血圧の上昇がみられるため、39~41℃(中温)以下が望ましい。

 

・石鹸、タオルなどの入浴用品は安全で使いやすい場所に置く。

転倒防止のため、安全な場所に置き、床のぬめりなどにも注意する。

 

・排泄は、入浴前に済ませておく。

 

・シャワーやかけ湯をする場合は、心臓から遠い末梢から中枢に向けて行う。

自分の手で湯温を確認してから行う。片麻痺がある場合は、温度が確認できる健側から行う。

 

・浴槽に入る時間は、5~10分程度にする。

呼吸器系、循環器系の疾患がある場合は特に注意をする。

 

・浴槽内での姿勢に注意する。

浴槽内では身体が浮き、バランスをくずしやすい。肩を支えるなどで頭が沈まないようにする

 

。 ・安全に入浴、洗身の介助を行う。

残存機能を活用し、介護者が安全に介助できるよう、シャワーチェアなどの福祉用具を活用する、ボディメカニクスを活用するなど。

 

・入浴中、入浴後の心身の状態を確認する。

入浴は体力を消耗しやすい。異常がある場合は、入浴を中止し、医療職に報告する。

 

・入浴後は丁寧に水分を拭き取る。

 

・水分補給をする。

十分な休息をとるとともに、失われた水分を補給する。

 

事故や体調の悪化が見られたときには、以下のように対応します。

 

・体調の悪化がみられたときは入浴を中止し、ベンチなど平らなところで安静にして医療職に報告する。

 

・溺水した場合は、すぐに栓を抜いて、利用者の気道を確保しながら浴槽から引き出す。

 

・めまいを起こした場合は、浴槽から出して、仰臥位で安静にする。

 

・痙攣が起こった場合は、浴槽から出して、楽な姿勢にする。痙攣が数分以上続く場合は、救急搬送を要請する。

 

・熱傷(やけど)を負った場合は、すぐに患部を冷水で冷やす。熱傷の範囲が広い場合は、救急搬送を要請する。

 

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