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介護福祉士に求められる姿勢

「社会福祉士及び介護福祉士法」において、介護福祉士の「誠実義務」は、 「個人の尊厳を保持し、その有する能力及び適性に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。」と規定されています。

介護福祉士には、利用者を「社会的存在」としてとらえ、「利用者自身の判断と自己決定を最大限に尊重」して支援することが求められます。

この科目では、介護従事者として利用者の尊厳保持と自立支援を行うための支援のあり方が問われる問題が出題されます。
ここでは、対人援助における重要な語句の意味をよく理解しておきましょう。

 

どれも試験に出やすい重要キーワードですので、前出の「自律」「自立」「自立支援」と併せて、必ず覚えるようにしてください。

    • 権利擁護
      利用者の支援にに当たっては、「利用者の権利擁護」を常に念頭に置く必要があります。それには、常に「利用者主体」の姿勢をもつとともに、利用者の家族など、周囲の人の権利擁護にも配慮する必要があります。

 

    • ノーマライゼーション
      障害があっても特別視せず、普通の人と同じように受入、障害者も健常者も共に生きるという社会福祉の中核的な理念。
      デンマークのバンク・ミケルセンが提唱した。 その後、スウェーデンのニィリエがノーマライゼーションの8つの原理を提唱、ドイツのヴォルフェンスベルガーが全米に普及するなど全世界に広まっていった。

 

    • アドボカシー(代弁・権利擁護)
      介護福祉士には、利用者が自己の権利などを表明することが困難なときには、利用者に代わって代弁する役割がある。他者からの権利侵害に対し、利用者の権利を代弁し擁護すること。
      *日本介護福祉士会の倫理綱領に「利用者ニーズの代弁」が規定されています。

 

    • エンパワメント
      個人が自らの力で問題や課題を解決していくことができる能力を獲得すること。介護従事者はそれを促す支援を行うことが大切。

 

    • ラポール
      信頼関係、援助の場面では、援助者と利用者の間に共感を伴った信頼関係を築くことが重要。

 

  • ソーシャル・インクルージョン
    社会的包摂(ほうせつ)、社会的な孤立や排除の問題を解決し、すべての人がその構成員として支えあう社会を構築すること。                                              

 

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成年後見制度

 

◆成年後見制度の概要

 

権利擁護に関する最も重要な制度に「成年後見制度」があります。成年後見制度は「民法」に規定された制度で、平成12年に介護保険法と同年に施行されました。

 

それまでの同様の制度は、「禁治産・準禁治産制度」といいましたが、名称が差別的、戸籍に記載される、手続きが煩雑で高額である、などの理由で有効に活用されなかったことを踏まえ、成年後見制度では、手続きを簡素化し、利用しやすい制度となっています。

また、「成年後見登録制度」の採用により、戸籍への記載はなくなりました。

 

成年後見制度で、まず押さえなければいけないのは、法定後見制度と任意後見制度があること、法定後見制度は、本人の判断力の程度によって後見・保佐・補助の3類型があることです。

それまでの禁治産が後見、準禁治産が保佐に当たります。

 

また、制度の実施主体が問題にでることがありますが、成年後見制度に関連する機関は家庭裁判所と覚えてしまって大丈夫です。

 

◆法定後見制度

 

法定後見制度の3類型は、以下のようになっています。

 

①後見

精神上の障害により,「判断能力が欠けている状態が通常である方」を支援する制度で、家庭裁判所が選任した成年後見人が,本人を代理して契約などの法律行為を行ったり、本人が行った不利益な法律行為を取り消したりすることができます。
ただし,本人の自己決定権を尊重し,食料品や衣料品の買物など「日常生活に関する行為」については,取消しの対象になりません。

 

②保佐

精神上の障害により,「判断能力が著しく不十分な方」を支援します。 お金を借りる,不動産を売買するなど民法で定められた一定の行為について,保佐人の同意が必要になります。

保佐人の同意を得ないで行った行為については,本人または保佐人に取消権があります。 ただし「後見」同様,「日常生活に関する行為」については,保佐人の同意は必要なく,取消しの対象にもなりません。 また,家庭裁判所の審判によって,一定の行為以外でも、特定の法律行為について保佐人に代理権を与えることもできます。

 

③補助

軽度の精神上の障害により,「判断能力が不十分な方」を支援する制度です。 家庭裁判所の審判によって定められた,特定の法律行為について,補助人に同意権・取消権。や代理権を与えることができます。

ただし,補助においても「日常生活に関する行為」については,補助人の同意は必要なく,取消しの対象にもなりません。

 

※精神上の障害とは、認知症・知的障害・精神障害などを指します。 成年後見制度の3類型では、その類型と判断能力の程度や、類型による同意権・取消権・代理権の違いが出題される可能性があります(第25回では類型の問題が出ました)。

こちらの表にまとめておきましたので、参考にしてください。

 

補助保佐後見
対象者精神上の障害により判断能力が不十分な者精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者精神上の障害により判断能力を欠く常況(いつもそうである状態)にある者
申立人本人、配偶者、4親等内の親族、検察官等、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人、市町村長
開始への本人の同意必要不要
同意権申立の範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」民法に定める行為日常生活に関する行為以外の行為
同意権への本人の同意必要不要
代理権申立の範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」財産に関するすべての法律行為
代理権への本人の同意必要不要

 

◆成年後見制度の重要ポイント

 

成年後見制度で、法定後見制度・任意後見制度、法定後見制度の3類型(後見・保佐・補助)以外の重要ポイントについて解説します。

 

①成年後見人等の仕事の内容は、財産管理と身上監護です。言葉の意味を把握しておきましょう。

 

・財産管理

預貯金通帳、土地建物の権利書、実印等の管理

税金・保険や電気・ガス・水道料金等、日常生活上の各種支払

借地や借家などの契約締結、変更や解除、その他

 

・身上監護

介護保険の契約の締結や解除

福祉施設の入所や病院への入院などの契約

その他、被後見人の生活に配慮すること

直接の介護は身上監護には当たらない

 

②「代理権」「同意権」「取消権」の意味も把握しておきましょう。

・代理権
契約などの行為を本人に代わって成年後見人等がする権利。成年後見人等がした行為は、本人がした行為として扱われる。

・同意権
本人の行為に成年後見人等が同意することにより、法律的に効果が認められることになるという権利、同意を得ないでした契約は取り消すことができます。
尚、後見類型では財産に関する法律行為のすべてについて代理しますので、同意権はありません。

・取消権
本人が行った行為を、本人または後見人等が取り消す権利

 

③後見等の開始の申立ができる人

・「本人、配偶者、四親等内の親族と市町村長」は必ず覚えましょう。

・その他に、検察官等、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人があります。

 

④成年後見人になれる人

・⑤の欠格事由に該当しない限り、特別な制限はなく、家庭裁判所から選任された人がなります。

個人でなく社会福祉法人などの法人でも可です。

・一般的には配偶者や子どもなどの親族や、弁護士、司法書士、社会福祉士がなることが多いです。

最近は市民後見人なども増えてきました。

 

⑤後見人になれない人(欠格事由の5類型)

・未成年者

・家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人

・破産者

・被後見人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族 ・行方の知れない者

 

⑥手続きの流れ

・③の開始の申立ができる人が、家庭裁判所に「後見開始の審判の申立」を行います。

・家庭裁判所の調査官により、事実の調査が行われます。

・精神鑑定を行います

※後見・保佐の開始では、明らかに必要がない場合以外精神鑑定が必要(実際には精神鑑定を行わない場合が多いようですが)。補助類型では診断書で可です 。

・家庭裁判所が判断能力の低下した者を成年被後見人等と審判し、後見人等を選任します。

・法定後見の開始が東京法務局に登記されます。

・成年後見人等の事務を監督する成年後見監督人(保佐監督人、補助監督人もあります)が選任されることもあります。

 

⑦成年後見制度利用支援事業

介護保険サ-ビス、障害者福祉サービスの利用等の観点から、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者にとって、成年後見制度の利用が有効であっても、身寄りがなく申立てを行うことが困難な場合に市町村長が申立てを行ったり,本人等の財産状況から申立費用や後見人等報酬を負担することが困難な場合にこれらの費用を支給して制度の利用促進を図る事業です。

成年後見制度が使えないと思っている人でも使える制度です。

なお、この制度は、高齢者に対しては介護保険法に基づく地域支援事業で、障害者に対しては、障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業に位置付けられています。

 

 

◆任意後見制度

 

法定後見制度が、すでに判断能力が低下し(失われ)た状態の人が利用するのに対し、任意後見制度は、まだ判断能力が十分にある人が、将来認知症などによって判断能力が不十分になった場合に備えて、事前に自分で選んだ任意後見人を定めておく制度です。

 

任意後見人の仕事の内容は、生活、介護や療養看護、財産管理に関する法律行為のうち、任意後見契約であらかじめ定めた事項です。

 

任意後見契約は、公証人が作成する公正証書で行わなければなりません。

 

任意後見を開始するには、本人の判断能力が低下した場合に、本人・配偶者・四親等内の親族、又は任意後見受任者が家庭裁判所に「任意後見監督人の選任申立」を行います(本人の同意が必要)。

 

その後、家庭裁判所が第三者である「任意後見監督人」を選出し任意後見が開始されます。このとき、任意後見受任者は任意後見人となります(監督人を選任したときに開始されるので混同しないように)。

 

任意後見監督人は本人に代わって、任意後見人が契約通りの事務を行っているかを監督します。

 

任意後見制度の概要は上記の通りですが、申立できる人や「任意後見監督人」の選出などが、法定後見制度と違っていますので要注意です。

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日常生活自立支援事業

高齢者や障害者などが地域において、自立した日常生活を送るためには、その権利がしっかりと擁護されることが必要です。

 

そのような判断能力が十分でない人がへの権利擁護の制度には、この「日常生活自立支援事業」と「成年後見制度」があります。

 

どちらも非常に重要な制度で、介護福祉士の試験にもどちらか (あるいは両方)は必ず出題されると思われます。

 

最近の試験でも、この科目とは限りませんが、毎回出題されています。

 

どのような人がどういうときに使える制度なのかを含め、制度のポイントと両者の違いを覚えておきましょう。

 

大まかにいうと、「日常生活自立支援事業」は、本人との契約に基づいて、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭等の管理に限定していることに対して、「成年後見制度」は、財産管理や福祉施設の入退所など生活全般の支援(身上監護)に関する契約等の法律行為を援助するものです。

 

「日常生活自立支援事業」は、それまでの「地域福祉権利擁護事業」の名称が変わったもので、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など、判断能力が不十分な人が地域において自立した生活が営めるよう、福祉サービスの利用や日常的な金銭管理などの援助を行う制度です。

 

「日常生活自立支援事業」のポイントは、以下の通りです。

 

  • 実施主体
     都道府県社会福祉協議会及び指定都市社会福祉協議会  利用の申し込みなどの窓口業務は市町村社会福祉協議会でも可能
  • 利用できる者
     判断能力が不十分ではあるが、この「日常生活自立支援事業」の内容は理解できる人
     一般的に成年後見制度よりも判断能力のある人が利用しますが、2つの制度を併用することもできます。
     施設入所中の人も利用可能
  • 援助の内容
     ①福祉サービスの利用援助(苦情解決制度の利用や行政手続きの援助も含む)
     ②日常的な金銭管理
     ③書類等の預かり
     ④定期的な訪問による生活変化の察知
     ⑤その他、福祉サービスの適切な利用のために必要な援助
  • 監督機関
    日常生活自立支援事業の適正な運営の確保のため、都道府県社会福祉協議会に「運営適正化委員会」が設置されている
  • 援助実施者
    実施主体の専門員が支援計画を立て、実施主体が認定する生活支援員が援助を行う

※判断能力については専門員が判定し、判定が困難な場合は契約締結審査会で判断します。

※「専門員」と「生活支援員」など混同しやすい語句も問題には出やすいです。

※実施主体の「都道府県社会福祉協議会」や「運営適正化委員会」なども他制度と絡めた問題が出やすいです。

また、「運営適正化委員会」は、もう一つの事業として、「福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するための第三者機関」という役割ももっています。

 

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