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介護におけるコミュニケーションの基本

コミュニケーションに関する問題は、この科目から8問、領域Ⅰの「人間関係とコミュニケーション」から2問出題され、2科目合わせて1つの科目群として扱われています。

 

領域Ⅰの「人間関係とコミュニケーション」と重複するところも多々でてきますが、コミュニケーションの基本的な事項を理解する、コミュニケーションに障害がある人への対応など、基礎的なことをしっかりと理解しましょう。

 

(1)介護におけるコミュニケーションの意義

 

●情報の伝達

 

・情報を伝達するということは、コミュニケーションの基本的な機能のひとつです。  二者間における情報の伝達は、①メッセージを送る人(送り手)が、②伝えたいことを記号化し、③二者間を伝わる情報(メッセージ)を、④メッセージを受け取る相手(受け手)に送り、⑤受け手がメッセージを解読する、という過程により成立します。

 

・送り手は何かしらの伝えたいことを記号化(言葉などにする)し、受け手はそれを自分自身の解釈で理解します。解釈の仕方によっては、その情報が新しい意味を持つことにもなります。  すなわち、介護従事者は、利用者から発せられる情報によって、同時に利用者の心情や体調、認知機能などのアセスメントを行うこともできます。

 

・メッセージを伝えるチャンネル(伝達経路)には、言語的チャンネルと非言語的チャンネルがありますが、非言語的チャンネルが伝達経路の7~8割を占めて(伝わりやすい)います。

 

・コミュニケーションを妨げる要因を「雑音」といい、次の3つがあります。

①物理的雑音:大きな音や耳障りな音の他、不適切な温度、汚れた空気、悪臭など音以外の雑音がある。

②身体的雑音:疾病による聴力の障害、言語の障害、話し言葉の障害などの身体障害の他、義歯や補聴器などの不具合があるためにコミュニケーションが妨げられている場合を示す。

③心理的雑音:心理的防衛機制に加えて、偏見や誤解に基づく先入観などがある。

 

●コミュニケーションの役割

 

・コミュニケーションには、情報の伝達という側面だけでなく、互いに理解を深めてわかり合う「つながりを生む」という機能ももっています。

 

・コミュニケーションは、双方向の意思の交流であり、介護現場においても、介護従事者からの一方的な情報伝達ではなく、利用者の意思を受け止め、ニーズを理解することなど、人と人と全人的なかかわりをもつことで、信頼関係(ラポール)が形成されていきます。

 

・利用者とのコミュニケーションの他、専門職や家族など、ケアチーム内のコミュニケーションが円滑に行われている必要があります。

 

・身体介助などの介護業務は、介助の方法やタイミング、それに対する利用者の反応など、介護の行為自体がコミュニケーションであるといえます。適切で高度な介護技術は、信頼関係を生み出します。

 

・利用者へのアセスメントを通じての計画の立案と援助の過程では、利用者とのコミュニケーションが行われます。  この過程で、利用者が自分の気持ちに気づき、主体的に力を発揮することができたり、介護従事者自身も、自分自身の有効性と満足感を確認できたりと、利用者と介護従事者双方のエンパワメントにつなげることができます。

 

(2)利用者、家族との関係づくり

 

利用者と介護従事者がコミュニケーションをとる際に、お互いが相手の一部分だけを見ていたのでは、憶測から誤解を招くことなどがあり、良い関係を築くことはできません。

よく知っている人でも、「知っている」という先入観から、相手の心情を見えにくくする場合もあります。

よいコミュニケーションをとるには、お互いが「自己開示」をすることが大切です。

 

自己開示とは、自分自身に関する情報を、本人の意思に基づいて、特定の他者に対して知覚可能な形(言語など)で表現することです。

適切に自己開示ができているかを判断する基準として、下記の5つが挙げられます。

 

①量:開示する情報の量

②深さ:開示する内容の深さ

③時:いつ開示するか

④人:誰に開示するか

⑤状況:開示する機会や頻度

 

自分自身のことを、自分あるいは相手が知っているかどうかを、下記の4つの窓になぞらえて分析するモデルを「ジョハリの窓」といいます。

 

①開放の窓:自分が知っていて相手も知っている

②盲目の窓:自分は知らないが相手が知っている

③隠された窓:自分は知っているが相手は知らない

④未知の窓:自分も知らず相手も知らない

 

③の隠された窓を①開放の窓に近づけることが「自己開示」にあたり、①を拡げて共通理解している部分を増やすことが良いコミュニケーションにつながります。

 

コミュニケーションには、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションがあり、非言語的コミュニケーションでは、無意識のうちに何らかのメッセージを相手に伝えてしまっています。

介護従事者が利用者を知ることにも役立ちますが、介護従事者は、介護という行為自体が非言語的なメッセージを発していることに十分配慮する必要があります。

 

介護従事者は、良いコミュニケーションをとるために、利用者に対し「自分が相手に関心をもっている」ということを伝える必要があります。

 

イーガンは、「関心をもっている」ことを、相手に自然に伝えられる「SOLER(ソーラー)」という5つの動作を示しました。

 

S(Squarely):利用者とまっすぐに向かい合うこと

O(Open):利用者に対して開いた姿勢をとること

L(Lean):利用者の方へ少し体を傾ける

E(Eye contact):利用者と適度に視線を合わせる

R(Relaxed):リラックスして話を聞くこと

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