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介護実践における連携2 地域連携

(2)地域連携

 

チームアプローチを実践していくためには、地域の専門職や専門機関、施設等の社会資源の他、地域住民やボランティアなど、地域全体で連携をとることが必要です。

 

地域は、①自治会圏域、②学区圏域、③市町村支所圏域、④市町村全域、⑤県域・広域といった、いくつもの福祉圏域に分けることができます。これらがそれぞれの特性に合った連携を行い、重層的に関わり合ってチームアプローチが行われます。

 

このうち、住民に最も身近な①自治会圏域等では、地域住民やボランティアなどによる、一人ひとりの気持ちに寄り添ったきめ細かな支援をすることができます。

 

これとは別に、2005(平成17)年の介護保険改正により、要介護高齢者等が住み慣れた地域においてサービス利用を可能とする観点から、「日常生活圏域」が設定されるようになりました。

 

この日常生活圏域は、市町村介護保険事業計画を作成する基本的な単位で、地域密着型サービスや地域包括支援センターを中心とした介護の基盤整備の単位となっています(現状では完全には整備をされているとはいえません)。

自治体によって違いはありますが、上記の②学区圏域~③市町村支所圏域で設定しているところが多いようです。

 

④について、市町村は、介護保険制度の保険者であり、地域密着型サービスの指定・監督、地域包括支援センターの設置、障害者自立支援法の給付など、社会福祉制度を実施する中心的な行政機関となっています。

 

●地域連携にかかわる地域福祉関係機関

 

・民生委員

民生委員法に基づき、都道府県知事(又は政令指定都市、中核市長)の推薦によって厚生労働大臣が委嘱し、任期は3年です。児童福祉法の規定により、児童委員も兼務することとなっています。  地区を担当して相談活動を行い、地域の声を吸い上げ、状況を把握、関係機関につなぐ役割をもっています。

 

・NPО法人

民間の公益に資するサービスを提供し、営利を目的としない団体で、特定非営利活動促進法(NPО法)に基づいて法人格を取得した団体をNPО法人といいます。 NPО法では、17の活動分野が規定されていますが、そのうち「保健・医療、福祉関連」の団体が最も多くなっています。 介護保険事業所の他、さまざまなきめ細かいサービスを運営しています。

 

・社会福祉協議会

社会福祉協議会は、社会福祉法に規定される、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした非営利の民間組織です。

社会福祉協議会は、全国、都道府県、市区町村、地区の行政単位ごとに設置されており、民生委員・児童委員、社会福祉施設等の社会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関と連携し、地域福祉の推進に取り組んでいます。

介護保険事業所など各種の福祉サービスや相談活動、ボランティアや市民活動の支援、共同募金運動への協力など、地域福祉活動を行っています。  都道府県社会福祉協議会では、「日常生活自立支援事業」を行っています。

 

・福祉事務所

社会福祉法に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、都道府県及び市(特別区を含む)に設置が義務付けられています(町村は任意)。 福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を行う「社会福祉専門行政機関」です。 老人福祉、身体障害者福祉、知的障害者福祉分野では、施設入所措置事務などが都道府県から町村へ移譲され、都道府県福祉事務所では、福祉三法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法)のみを取り扱っています。

自治体によって「福祉事務所」の名称を使っていないところもあります。

 

・地域包括支援センター

2005(平成17)年の介護保険法改正で新たに設置された、地域包括ケアの中核となる機関です。  包括的支援事業(介護予防ケアマネジメント業務、総合相談支援業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント業務)、指定介護予防支援事業者としての介護予防計画の作成、任意事業としての家族介護支援、二次予防対象者の把握、介護予防に関する普及啓発などを行っています。

 

介護実践における連携1 多職種連携(チームアプローチ)

(1)多職種連携(チームアプローチ)

 

●チームアプローチの概要

 

介護の実践にあたっては、関連する専門職とチームを組み、多職種が連携して様々な角度から支援することが必要です。

これを「チームアプローチ」といいますが、異なる専門性をもつ多職種がそれぞれの専門職の能力を活かして、専門的視点での情報収集やアセスメントなど、多方面からの視点による総合的な援助を行うことができます。

 

チームアプローチを実践するためには、利用者の状態やニーズに関する情報、目標や方針などを共有すること、各職種間の連携により、サービスの重複をなくすなど、効率的な支援をすることが必要です。

 

また、関連する専門職が相互の専門性を理解し、それぞれの業務範囲を尊重することも必要です。

 

情報を共有し、効果的な支援を行うためには、関係者間での話し合いを行うことが必要となります。 これを「ケース・カンファレンス(ケア・カンファレンス)」といい、関係者には、医療関係者や福祉関係者などの他、ケースによって、本人・家族、教育関係者、ボランティアなども含まれます。

 

●医療関係者との連携

 

社会福祉士及び介護福祉士法には、「介護福祉士は、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない」と規定されています。(「福祉サービス関係者等」とは「福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者」のことです)

 

連携が必要な医療関係職種は、医師、看護師、保健師、助産師、歯科医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、視能訓練士、義肢装具士、放射線技師、臨床検査技師などがあげられます。

 

主な医療に関する専門職については、介護実践に関連する諸制度6 医療に関する法的な規制を参照してください。

 

医師法に「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定められており、医師以外が診断、投薬、手術、生理学的検査などの「医行為」を業(不特定多数の者を対象に反復継続して行うこと)としてはならないとされています。

したがって、緊急時の救急救命などは、医師でなくてもできることになります。

また、医行為の一部は診療の補助等として、医師の指示のもと、看護師等の医療従事者が行うことができます。

 

2011(平成23)年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、一定の要件のもと、介護職員等による喀痰吸引等(限定的な喀痰吸引と経管栄養)の実施が可能となりました。

 

実施できるのは、平成27年度の介護福祉士国家試験合格者(養成課程で実地研修を修了)と介護福祉士以外の介護職員等(現在の介護福祉士を含みます)で、一定の研修を修了し、認定特定行為従事者の認定を受けた者です。

 

連携が必要な社会福祉関係職種には、介護福祉士、社会福祉士、医療ソーシャルワーカー、精神保健福祉士、介護支援専門員、ホームヘルパー、手話通訳士などがあります。

 

このほか、家族・友人、民生委員、ボランティアなどとの連携も重要です。

 

主な社会福祉関係職種

 

・社会福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法)

「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう」と定義されています。

 

・精神保健福祉士(精神保健福祉士法)

「精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいう」と定義されています。

これらの定義まできちんと覚える必要はありません。社会福祉士は社会福祉全般の相談等の支援、精神保健福祉士は精神科領域での相談等の支援を行う職種です。両方とも試験に合格した上で、登録して初めてその名称が使えます(名称独占)。

 

・介護支援専門員(介護保険法)

「要介護者等からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービス(居宅、地域密着型、施設、介護予防、地域密着型介護予防)を利用できるよう市町村、居宅サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたものをいう」と定義されています。 国家資格ではなく、都道府県知事から与えられる資格です。

 

・訪問介護員(ホームヘルパー)

(介護保険法) 利用者宅へ出向き、身体介護や生活援助の訪問介護サービスを提供する。介護福祉士の資格をもって訪問介護を提供することができる。

 

2009年に訪問介護員3級課程(3級ヘルパー)が廃止され、訪問介護を提供できるのは、訪問介護員2級課程(2級ヘルパー)修了者以上となりましたが、1・2級ヘルパーと介護職員基礎研修はすでに廃止されました。

2013(平成25)年度からは、訪問介護員1・2級課程と介護職員基礎研修が「介護職員初任者研修」に一元化されています。

また、社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、2012(平成24)年度から「実務者研修」が創設され、「介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士」というキャリアアップのルートができました。

平成27年度(28年1月)の介護福祉士国家試験から、実務経験3年で受験する場合、実務者研修の受講が必要となりました。

 

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