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介護サービス4 介護サービス提供の場の特性3

(2)介護サービス提供の場の特性

 

◆居宅系サービス(障害者)

 

障害者自立支援法のサービス体系は、個々の障害程度や社会活動、介護者、居住等の状況をふまえ、個別に支給決定が行われる「障害福祉サービス」と、市町村の創意工夫により、利用者の方々の状況に応じて柔軟に実施できる「地域生活支援事業」に分かれます。 「障害福祉サービス」には、介護の支援を受ける「介護給付」と訓練等の支援を受ける「訓練等給付」があり、それぞれ利用の際のプロセスが違います。

 

障害者総合支援法では、入所施設のサービスを、昼のサービス(日中活動事業)と夜のサービス(居住支援事業)に分けることにより、施設の中だけですべての支援を行うのではなく、利用者一人一人の個別支援計画に基づいて、サービスの組み合わせを選択できるようになっています。

 

障害者総合支援法における日中活動系のサービスは、自立支援給付の中の介護給付に位置付けられる「生活介護」と「療養介護」です。

 

「生活介護」は、常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供するサービス、「療養介護」は、医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行うサービスです。

 

●訪問系サービス

 

障害者総合支援法における、訪問系のサービスは、「居宅介護」「重度訪問介護」「同行援護」など自立支援給付の介護給付によるものと、「移動支援事業」「生活サポート事業」など、地域生活支援事業によるものがあります。

 

障害者に対するホームヘルプサービスを「居宅介護」といいます。 障害程度区分1以上の障害者に対し、自宅で入浴・排泄・食事等の介護を行います。

 

「重度訪問介護」は、障害程度区分が4以上で、重度の肢体不自由者を対象とする、入浴・食事・排泄の介助ほか、外出時の移動介護などを総合的に供与するサービスです。

 

「同行援護」は、2011(平成23)年10月から新設されたサービスで、視覚障害により、移動が著しく困難な障害者に同行し、移動に必要な情報の提供(外出先での代筆・代読を含む)、移動の援護や外出時の排泄・食事等の介助など、必要な便宜を提供するサービスです。

 

「行動援護」は、知的障害または精神障害により、自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出時の排泄や食事等の介護、その他必要な支援を行います。

 

●通所系サービス

 

障害者総合支援法による通所サービスは、生活介護事業所、自立訓練事業所、就労移行支援事業所などで行われています。 障害者自立支援法施行前にあった、障害者デイサービスという枠組みはなくなりました。

 

2010(平成22)年の障害者自立支援法の改正により、2012(平成24)年4月から、それまで障害者自立支援法に根拠のあった「児童デイサービス」、児童福祉法に根拠のあった知的障害児・肢体不自由児等の通所サービスは、児童福祉法に基づく「障害児通所支援」に一元化されました。

 

◆入所系サービス(障害者)

 

障害者総合支援法による入所サービスは、障害者支援施設で行われる「施設入所支援」、「共同生活介護(ケアホーム)」、「共同生活援助(グループホーム)」で行われています。

 

施設入所支援事業は、在宅生活が困難となった障害者が障害者支援施設に入所し、住まいの提供と日常生活に必要な介助を受ける事業です。施設に入所する人に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。

 

共同生活介護(ケアホーム)は、障害程度区分が2以上の身体・知的・精神障害者が入所し、夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事等のの介護、家事の援助、生活相談・助言、関係機関との連絡調整などを行います。

 

共同生活援助(グループホーム)は、障害程度区分が1以下の身体・知的・精神障碍者が入所し、夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を行います。

 

介護サービス3 介護サービス提供の場の特性2

(2)介護サービス提供の場の特性

 

◆入所系サービス

 

入所系サービスには、介護保険法上の施設である、指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設の3種類と、介護保険法上は居宅サービスに分類されますが、特定施設入居者生活介護が利用できる、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、有料老人ホームなどがあります。

 

入所施設には、施設の開放やボランティア等の地域住民の受け入れとなど、地域との連携を通して、地域福祉の中核的な存在として機能することが期待されています。

 

また、入所施設は多くの入所者が集団で生活する場ですので、それまでの自宅での生活をそのまま続けることはできませんが、入所者の尊厳を守り、その人らしく生活することを支援するために、生活習慣などを尊重し、できるだけ入所前との継続性をもたせたケアを行うことが大切です。

 

最近の介護保険施設は、個室・ユニットケアを基本としており(地方自治体によって多床室も認められています)、居宅に近い居住環境で、入居者一人ひとりの生活リズムを尊重し、入所者が相互に人間関係を築きながら日常生活を営めるようなケアを行っています。

 

ユニットケアでは、なじみのある家具などをもちこめる個室とリビングなどの共同生活空間のあるユニットで、概ね10人程度のグループで共同生活を行います。

 

●特別養護老人ホーム

 

「特別養護老人ホーム」とは、老人福祉法上の施設ですが、介護保険法に基づく指定を受けると介護保険法上の「指定介護老人福祉施設」となります。 65歳以上の者(第2号被保険者も可です)であって、身体上または精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とする者で、居宅において介護を受けることが困難な人が入所する施設です。 要介護1以上の人が入所でき、2010(平成22)年の平均要介護度は、3.88となっています。

 

●介護老人保健施設

 

「介護老人保健施設」は、介護保険法に根拠を持つ施設で、慢性期・維持期にあり治療を必要としない状態の高齢者が入所し、家庭への復帰を目指すために、医学的管理の下、看護・介護、作業療法士や理学療法士等による機能訓練、日常生活の世話等を行う施設です。

病院と在宅、あるいは福祉施設との中間に位置付けられるため「中間施設」と呼ばれることもあります。

特別養護老人ホームと同様、要介護1以上の人が入所でき、2010(平成22)年の平均要介護度は、3.32です。

 

人員配置は、医師、看護職員、介護職員、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士、介護支援専門員、支援相談員などですが、管理者は医師でなければならず、理学療法士等のリハビリテーション専門職が必置となっています。

 

●指定介護療養型医療施設

 

「指定介護療養型医療施設」は、慢性期の病状が安定した、長期にわたる療法が必要な要介護者を受け入れる施設で、医療法の適用を受ける医療施設です。

介護療養型医療施設は、2012年3月末ですべて廃止される方針が示されていましたが、2017年度末まで延期されることとなりました。

廃止される既存の施設は、「介護療養型老人保健施設(転換型老健)」を中核に、他の介護施設への転換がうながされています。

2010(平成22)年の平均要介護度は4.39です。

 

●軽費老人ホーム

 

「軽費老人ホーム」は、老人福祉法に根拠をもつ老人福祉施設で、「無料又は低額な料金で老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設」とされています。

 

軽費老人ホームには、A型、B型、ケアハウスの3種類がありますが、2008(平成20)年に基準が改正され、ケアハウスの基準に一元化されました。A型、B型については、現存の施設のみで新設はできなくなりました。

 

「ケアハウス」とは、自炊ができない程度の身体機能の低下があるか、高齢のため独立して生活するには不安があり、家族による援助を受けるのが困難な60歳以上の人が対象の施設です。

 

また、2010(平成22)年度から、大都市部における身体機能の低下した低所得者が利用できる住まい対策として、ケアハウスの居室の床面積・職員配置等の基準を緩和し、利用料の低廉化を図った「都市型軽費老人ホーム」(定員20人以下)ができました。

 

●養護老人ホーム

 

養護老人ホームは、老人福祉法に規定される福祉施設で、主に経済的、社会的理由で居宅の生活が困難な高齢者(原則として自立者)を入所させ、養護することを目的とする施設です。

介護保険施設ではありませんが、2006(平成18)年の介護保険改正により、外部サービス利用型の特定施設入居者生活介護の指定を受けることができるようになりました。

 

◆地域密着型サービス(高齢者)

 

2006(平成18)年の介護保険制度改正により、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるように、新たなサービス類型として、地域密着型サービスが創設されました。

 

これにより、それまで都道府県が指定等を行ってきた「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」、「認知症対応型通所介護」、及び新たに創設された「小規模多機能型居宅介護」等については、地域密着型サービス(介護予防含む)として市町村が事業者の指定及び指導・監督を行うこととなりした。

 

地域密着型サービスは、施設などの規模が小さいので、利用者のニーズにきめ細かく応えることができます。利用できるのは、原則として事業者が所在する市町村に住んでいる人に限られます。

 

地域密着型サービスには下記のような事業があります。地域密着型サービスも何らかの形で試験にでると思われますので、ぜひ覚えましょう。

 

●定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 

2012(平成24)年の介護保険改正により、重度の要介護者でも必要なときに必要なサービスが受けられ、在宅生活を継続できるよう創設されたサービスです。

 

身体介護を中心とした1日複数回のサービスで、看護や生活援助サービスも一体的に提供し、緊急時には24時間の対応が可能です。

 

ひとつの事業所で訪問介護と訪問看護一体的に提供する「介護・看護一体型」と、訪問介護事業所が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供する「介護・看護連携型」2類型があり、要介護者のみを対象とするため、予防給付はありません。

 

●認知症対応型協働生活介護(認知症高齢者グループホーム)

 

1ユニット9人以下(最大2ユニット、一部3ユニット可)の施設で、認知症の人でも理解できる小規模で家庭的な空間で生活します。

 

1日の決まったスケジュールなどはあまりなく、利用者の生活リズムに合わせたケアが行われますので、その人らしさを維持することが可能となります。

 

●小規模多機能型居宅介護

 

登録定員25人以下の利用者が、「通い」を中心に、「訪問」「宿泊」を合わせたサービスを利用します。

 

事業所の同じスタッフが「通い」「訪問」「宿泊」のサービスを提供しますので、ケアの継続性が保たれ、利用者もなじみのスタッフが対応するため、安心してサービスを受けることができます。

 

●複合型サービス

 

2012(平成24)年の介護保険改正により新設されたサービスで、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせ、介護と看護を一体的に提供することによって、医療ニーズの高い要介護者でも在宅生活が継続できるよう、支援するサービスです。

 

介護報酬は、要介護度別の定額制となっており、利用者の介護・医療ニーズに応じて、柔軟なサービス提供が可能となります。

 

介護サービス2 介護サービス提供の場の特性1

(2)介護サービス提供の場の特性1

 

介護サービスを提供する場には、大きく分けて「施設」と「居宅」があります。また、介護保険法などの制度上は「居宅サービス」に位置付けられていても、通所サービスや短期入所サービスなどのように、実際の介護は「施設」で行われるものもあります。 (老人福祉法では、デイサービスは施設扱いです)

 

ここでは、それぞれの介護を提供する場の特性を見てみます。 今まで勉強したことと重なることが多いので、ここは確認程度でサラっといきましょう。

 

◆居宅系サービス(高齢者)

 

①訪問サービス

 

介護保険制度において、居宅を訪問するサービスには、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導などがあります。

 

介護保険制度は、施設入所よりも居宅サービスを重視し、これは高齢者にとっても、できるだけ住み慣れ得た地域の住み慣れた家で生活することが、望ましいと考えられますが、居宅で行う介護の特性として、以下の点などに注意が必要です。

 

・居宅は利用者と家族が長年生活してきたプライベートな場所です。介護従事者は、利用者の生活経験や価値観を重んじ、みだりに家族の生活スタイルに踏み込んではいけません。

・利用者の機能障害や残存機能を把握し、できるだけ主体的に行動できるよう援助します。

・本人の思いと家族の思い、家族の介護負担などを把握します。

・住環境にも目を向け、利用者・介護者にとって使いやすい福祉用具の活用や住宅改修等の情報提供をする。ただし、利便性だけを考えるのではなく、利用者の思いや居心地のよさにも配慮します。

・介護従事者は、自分の五感を使って利用者の状態を丁寧に観察し、利用者の「いつもと違う」状態に気付くことが大切です。

 

利用者の異変に気付いた場合は、できるだけ早く医療関係者と連携をとることが大切です。介護従事者は、医療的な判断や医療行為はできません。 ただし、人命にかかわる緊急の場合は、介護従事者であっても、心肺蘇生などの救急救命処置は行わなければなりません。

 

なお、2005(平成17)年に厚生労働省から「原則として医行為ではないと考えられる行為」についての通知が出され、「介護従事者が行うことのできる医療的行為」が示されました。

 

また、2012(平成24)年4月からは、「社会福祉士および介護福祉士法」の改正により、養成課程で知識と技能を習得した介護福祉士(2015年度以降の国家試験合格者)と一定の研修を修了し、都道府県知事から認定を受けた介護職員等は、基準を満たした登録事業者で行うなどの一定の条件のもとに、痰の吸引と経管栄養の医療行為が行えるようになりました。

 

●訪問介護

 

訪問介護は、居宅サービス計画に沿った訪問介護計画に基づいて実施され、生活援助、身体介護、通院等のための乗車・降車の介助が提供されます。

 

生活援助は、調理、掃除、洗濯、買い物等の支援のことで、比較的軽度の人が多く使う傾向にあります。ただし、家事の代行のような援助の仕方ではなく、予防・自立支援の観点から一緒に家事を行うような支援が必要です。 また、同居家族がいる場合は、生活援助サービスは利用できません。

 

身体介護は、食事、排泄、入浴、黒衣、移動等の援助で、比較的重度の人の利用比率が高くなっています。

 

②通所サービス

 

通所サービスには、通所介護と通所リハビリテーションがあります。

 

ともに、居宅サービス計画に沿った通所介護計画、通所リハビリテーション計画に基づいてだービスが提供されます。

 

●通所介護

 

要介護者等が、日中デイサービスセンターなどに通い、入浴・食事・排泄などの介護とレクリエーション・機能訓練・生活相談などのサービスを受けます。

 

通所介護は、身体機能の維持・向上、社会的な孤立感の解消などにより、利用者の日常生活を活発にする効果のほか、介護者に一定の時間、介護から解放される時間を作ることができ、レスパイトケアとしての介護負担の軽減という効果があります。

 

平成24年の介護報酬改定で、通所介護の時間区分が6~8時間→5~7時間と7~9時間に変更になり、また、最大で12時間までの延長が介護給付として認められるようになりました。

 

●通所リハビリテーション

 

介護老人保健施設や、病院・診療所に通って、医師の判断に基づき、維持期のリハビリテーションを受けるサービスです。

 

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、リハビリテーションの専門職や医師、看護職員、介護職員などが関わり、機能訓練を行うことによって、利用者の心身機能の回復や、軽度要介護者等の重度化の予防が図られます。

 

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