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介護福祉士を取り巻く状況2 介護問題の背景

日本の介護問題の背景には、少子高齢化がありますが、特に他の国に比べて、高齢化のスピードが著しく速いこと、後期高齢者が多いなど高齢化の程度が著しいこと、家族の小規模化などによる家族機能の低下、社会構造の変化や地域社会の崩壊など社会の変化が同時に起きていることなどが特徴として挙げられます。

 

(1)高齢化

 

我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は、2011(平成23)年の10月1日現在23.3%(総人口約1億2,780万人、高齢者人口約2,975万人:前年2,925万人)ですが、それに至るまでの変化は、

  • 高齢化社会(高齢化率7%):1970(昭和45)年
  • 高齢社会(高齢化率14%):1994(平成6)年
  • 超高齢社会(高齢化率21%):2007(平成19)年

となっています。

 

この高齢化社会から高齢社会に至る期間は、日本では24年ですが、アメリカ69年、ドイツ42年、フランス114年など、ほとんどの国が日本の2倍以上です。

 

また、日本の平均寿命(0歳児の平均余命)は、2011(平成23)年で、女性85.90年、男性79.44年となっており、世界でもトップクラスの長寿国です。

 

これに伴い、後期高齢者(75歳以上)の増加も著しく、2011(平成23)年で1,471万人(総人口の11.5%)ですが、2017(平成29)年には、後期高齢者が前期高齢者を上回ると予想されています。

 

(2)社会の変化

 

従来、第一次産業中心の時代では、介護は家族制度の中で主に女性が担ってきました。

 

それが、第二次・第三次産業へと産業構造が変化する中で、人口が都市部へ流出し、女性が社会進出することによって、家族の小規模化や家族機能の変化が生じ、家族で介護を行うことが困難になってきました。

 

2010(平成22)年の国民生活基礎調査によると、主な介護者は同居の家族が64.1%(別居家族9.8%、事業者13.3%)と最も多く、同居家族の内訳では配偶者25.7%、子20.9%、子の配偶者15.2%となっています。 また、介護者の年齢別、性別では、60歳以上が62.1%、女性が69.4%となっています。

 

このような統計からも、小規模家族の中で高齢者が高齢者を介護する老老介護が増加していることが伺えます。

 

この他、地域コミュニティのぜい弱化も進んできており、介護を家族や地域で支えることが困難になっています。

 

そこで、介護保険制度などの導入により、必要なときに十分な介護サービスを利用できる仕組みを作り、介護を社会全体で支える「介護の社会化」が進められています。

 

少子化に関する統計としては、「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」である、合計特殊出生率の減少があげられます。

 

合計特殊出生率は、2005(平成17)年に、それまでの最低の1.26まで減少し、その後やや回復し、2010(平成22)年には、前年の1.37を上回る1.39となりましたが、2011(平成23)年も1.39と、横ばい傾向にあるといえます。

 

また、、2005(平成17)年の国勢調査では、日本の総人口が1億2776万8000人で、前年を約2万20000人下回っており、日本は人口減少時代に突入したともいうことができます。

 

このようなことから、今後ますます高齢化が進み、2035年には国民の3人に1人、2060年には2.5人に1人が高齢者になると推測されています。

 

(3)高齢者虐待の社会問題化

 

急速な高齢化の進展、家族の介護機能の低下、介護者への負担の増加などを背景に、高齢者虐待が社会問題化しています。

 

介護福祉士等、介護に従事する者は、虐待を早期に発見できる立場として、高齢者虐待棒に貢献することが期待されています。

 

事実、平成23年度の調査によると、養護者による虐待の通報者は、「介護支援専門員等」の介護関係者が42.4%で最も多くなっています。

 

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介護福祉士を取り巻く状況1 介護の歴史

日本における介護の歴史をみると、老人福祉法制定以前は、聖徳太子による日本初の救済施設である四箇院に始まり、古代の律令制度による救済と家族介護を中心に、1874年の恤救規則や1929年の救護法が制定されるなど、主に救貧的な制度が中心でした。

 

1963(昭和38)年に老人福祉法が成立すると、特別養護老人ホーム等の施設や家庭奉仕員派遣事業が法制化され、介護を行う職員が法律上規定されました。

 

この時期の介護は、非専門職によって行われていましたが、施設介護の質の向上が図られるようになり、1987(昭和62)年に社会福祉士及び介護福祉士法が成立し、国家資格である護福祉士という介護の専門職が生まれました。

 

その後、1994(平成6)年に「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」の報告書が出され、「自立支援」が介護の基本理念として掲げられ、2000(平成12)年の介護保険制度施行とともに、その理念が確立されてきています。

 

社会福祉士及び介護福祉士法は、2007(平成19)年に改正が行われ、近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化に対応し、資質の向上を図る必要性から、資格取得に必要な講義、演習、実習の教育内容や時間数が見直され、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという形で、資格取得方法が一元化されました。

 

また。2011(平成23)年の改正では、介護福祉士が、業務として喀痰吸引や経管栄養を実施することができるようになりました。

 

これにより、2015(平成27)年の介護福祉士国家試験に医療的ケアの内容が追加され、養成課程にも喀痰吸引等の基本研修が組み込まれました(実際に行為が行うには、演習・実地研修が必要です)。

 

喀痰吸引等の行為は、2015(平成27)年以降の介護福祉士のほか、登録研修機関による「喀痰吸引等研修」を受講する方法もあります。

 

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