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生活支援2

(4)生活支援とレクリエーション

 

●レクリエーションの目的

 

レクリエーションとは、語源は「RE-CREATE=つくりなおす」という意味ですが、日々の生活を生き生きとしたものに再構築するもの、と捉えることができます。

 

レクリエーションへの参加を通して、利用者の生活機能に働きかけ、生活に楽しみや生きがいを作りだし、質の高い生活を目指して行われるものです。

 

レクリエーションは、単に楽しむことが目的ではなく、生活支援1で述べた日常生活の3つの領域(基礎生活、社会生活、余暇生活)に関わり、利用者自身の選択により、利用者が主体となって行うことによって、生活全体の活性化を図ることが大切です。

例えば基礎生活の領域で、季節の食材をとりいれた食事を提供したり、着る服に彩りを与えたりして、生活そのものを快適にしていくこともレクリエ―ション援助のひとつです。

 

レクリエーションは、生活に楽しみを与えると同時に、レクリエーション療法など、治療的な効果も期待でき、また、身体を動かすことによって筋力が強化され、介護予防の効果もあるといえます。

 

レクリエーション活動を行うに当たっては、①生活の中にレクリエーションを取り入れる(生活のレクリエーション化)、②誰でも楽しめる(障害の種類や程度、高齢、性別などにかかわらず)、③個々のニーズに合った援助を行う、ことが大切です。

 

●レクリエーション援助の技法

 

レクリエーションには個別レクリエーションと集団レクリエーションがあります。

 

個別レクリエーションの援助では、レクリエーションの主体である利用者の個々の状況に応じた計画を立て、最適なプログラムを提供することが大切です。

 

集団レクリエーションは、少人数のグループワークによって行われます。参加者同士の交流が生まれ、参加者の相互作用(グループダイナミクス)が働くことによって、集団としての成長や参加者の社会性の向上につながります。

集団レクリエーションの援助を行う際には、①参加者各々が役割を担えるようにし、集団での活動が適さない人には個別の対応をすること、②複数のプログラムの中から選択できること、③できるだけ同レベルの参加者をそろえること、などにより、レクリエーションの質が高まります。

 

レクリエーション活動における援助者の役割は、どのようなレクリエーションを行うかを利用者が自ら選択し、主体的に参加できるよう支援することです。

利用者が楽しめるということを重視し、利用者のニーズに合っているか、満足できているかなどに留意します。

 

レクリエーションは、社会福祉援助活動のひとつであり、実施にあたっては、レクリエーション活動援助計画を立て、A-PIEプロセスと呼ばれる過程を経て提供されます。

 

A-PIEプロセスとは、他の援助過程とほぼ同様ですが、①A:アセスメント、②P:計画、③I:実施、④E:活動の評価、という過程のことです。

 

(5)生活支援のための福祉用具の活用

 

●福祉用具の定義

 

福祉用具とは、「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」(福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律)と定義されています。

 

すなわち、日常生活上の便宜を図るための用具、機能訓練のための用具、補装具のことを指し、障害者自立支援法による日常生活用具と補装具、介護保険法による福祉用具貸与と特定福祉用具販売の対象品目が含まれます。

 

●福祉用具の目的と導入時のポイント

 

福祉用具には、利用者の自立支援と介護者の負担軽減という2つの目的があります。

 

利用者は、福祉用具を使用することによって、自分でできることが増え、活動範囲が広がります。

介護者にとっては、利用者が自立することによって介護の量が減少し、福祉用具の使用で、介護者にかかる負担が軽減します。

 

福祉用具導入にあたっては、以下のような視点が重要となります。

 

・利用者の生活動作全体を検討すること

・利用者に適合し、残存機能が活かされているか

・環境との適合を考え、自宅などの使用場所で使用可能か

・介護者にも適合し、使いやすいものであるか

・導入に伴い新たな負担が発生しないか

 

福祉用具導入の流れは以下の通りとなっています。

 

①相談

②アセスメントの上、福祉用具の必要性の判断

③ケアプランの作成

④福祉用具の提供

⑤使用方法の指導

⑥モニタリング

⑦再評価

 

生活支援1

(1)生活の理解

 

生活とは、「生命の維持に不可欠な活動であり、人間として尊厳のある営みが続くこと」と定義されます。

 

人間は社会的な動物であるため、人間の生活には、生物としての営みという側面と、社会的な存在としての側面があり、以下の3つの分類で捉えることができます。

 

①基礎生活

生物としての営みである、食事、排泄、入浴、更衣など、ADL活動。

②社会生活

社会的な営みである、人間関係の維持・構築や、教育、仕事、ボランティア、地域活動などの活動で、IADLを行うことによって実現可能となります。

③余暇生活

自己実現に向けた活動で、趣味、旅行、スポーツ、賭けごと、芸術活動など、生きがいのもてるような活動です。

 

一人ひとりの生活にはそれぞれ違いがあり、利用者本人が主体となって、尊厳のある生活を営むためには、多岐にわたる側面の充実が求められます。

 

自分の価値観に基づいて、自分らしい生活を目指しながら生活していくことを「生活経営」と言います。

 

(2)生活支援とは

 

●生活支援の範囲

 

介護福祉士は、高齢や障害のために日常生活に支障がある人が、その人らしい自立した日常生活を送ることができるよう支援します。

一人ひとりの生活を尊重した支援を行うために、介護福祉士は、利用者の心身の状況に合わせた介護(ADLだけでなく、IADLの向上を目指した介護)を行い、利用者の生活全般にかかわる支援を行うことによって、利用者の生活の自立とQOLの向上を目指していきます。

 

●ICFの視点からの生活支援

 

ICFでは、障害をマイナス要因としてのみとらえるのではなく、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」を含む「生活機能」という枠組みでとらえ、「健康状態」との相互作用や「環境因子」「個人因子」という背景との相互作用を重視しています。

つまり、心身機能や身体構造が障害を受けている場合、それと相互に作用する「健康状態」「環境因子」「活動」に対して働きかけを行うということになります。

 

この中の「活動」に関してICFでは、将来どのような活動をしたいかという「する活動」を目標に設定し、その目標に向けて現在行っている「している活動」と持っている能力である「できる活動」をアセスメントします。

その上で、「できない部分を援助する」という考え方でなく、「できる活動」と「している活動」に働きかけ、目標である「する活動」に近づけていくことが重要です。

 

このように、ICFの視点に立った生活支援とは、生活機能を向上させるために、利用者を取り巻く環境や、心身機能・身体構造、活動、参加に働きかけ、利用者のストレングスを活かして、QOLを高めていくよう支援することです。

 

(3)生活支援と介護予防

 

生活機能を向上させる生活支援を行うためには、介護予防の視点が重要です。

 

介護予防とは、

①高齢者が要介護状態となることをできるだけ予防すること、②要介護状態になってもそれ以上悪化しないようにすることを指し、心身機能の維持・改善や環境への働きかけを通して、利用者のQOL(生活の質)を高めるよう、総合的に支援することを目的とします。

 

高齢者が要介護状態となることを予防するには、脳血管疾患など様々な疾病の原因となっている「生活習慣病」の予防や、寝たきりの原因となる「廃用症候群(生活不活発病)の予防が重要です。

 

廃用症候群は、長期の臥床や不活発な生活などにより、身体や精神の機能を使わない状態が続いたことによる機能低下の総称です。 廃用症候群が起こると、関節の拘縮や褥瘡など身体機能の低下だけでなく、知的機能や意欲の低下なども起こり、生活機能全体の低下につながります。

 

主な廃用症候群は以下の通りです。

 

・関節拘縮

長い寝たきりなどで関節が固くなり、自動的にも他動的にも動きが制限された状態。無理に動かすと痛みを伴う。

 

・骨粗鬆症

閉経後の女性に多い病気で、骨のカルシウム量が減少し、骨密度が低下して、骨がもろくなる。また、臥床が続き動かさなくなると、重力などによる刺激も低下して、さらに骨が弱くなる。

 

・筋萎縮・筋力低下

筋萎縮は、筋肉を作っている筋組織が細くなったり縮んだりした状態で、筋肉がやせ細り、筋力低下を起こす。筋肉を使わないことが主な原因。

 

・起立性低血圧

臥位から座位や立位になるときに、血液は下肢や腹部に移行しますが、このときに血圧のコントロールがうまくいかず、低血圧となり、立ちくらみを起こす。吐き気を起こすこともある。

 

・褥瘡

寝たきりなどにより、同一部位の持続的な圧迫があると、その部分の組織が壊死を起こす。仙骨や肩甲骨、踵部など、骨の突出部にできることが多い。

 

・精神機能低下

刺激の少ない状態が続くと、精神的な働きが鈍くなり、知的能力や意欲の低下、依存、自発性低下、食欲低下、睡眠障害などが起こり、感情や行動の異常、認知症に至ることもある。

 

・静脈血栓症

長時間動かずにいると、静脈内で血液が停滞し、血栓ができることがある。この結果、静脈がつまった状態になり、うっ血や浮腫を生じる。

 

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