介護福祉士国家試験・わかりやすい解説で受験生を応援します

Sponsord Link

障害者総合支援法と障害児福祉サービス

障害児(身体障害・知的障害・精神障害をもつ18歳未満の者)が利用できる福祉サービスには、障害者総合支援法に基づくものと児童福祉法に基づくものがあります。

 

平成24年4月の障害者自立支援法改正により、それまで障害の種別ごとに分かれていた、施設体系について、障害種別ではなく、通所・入所という利用形態別に一元化されました。

また、障害者自立支援法と児童福祉法にまたがっていた根拠となる法令が、児童福祉法に一本化されました。

ただし、子ども・成人が共通して利用する居宅サービスについては、障害者自立支援法(現総合支援法)に基づくサービスを利用します。

 

障害者自立支援法(現総合支援法)に基づくサービスとしては、自立支援給付である介護給付(居宅介護、重度訪問介護、行動援護、同行援護、重度障害者等包括支援、短期入所)、自立支援医療、補装具の給付を受けることができます。

訓練等給付などは、基本的に障害児を対象としていません。

 

児童福祉法に基づくサービスとしては、市町村が実施主体となる障害児通所支援と都道府県が実施主体となる障害児入所支援に一元化されています(障害児通所支援と障害児入所施設にはそれぞれ医療型と福祉型があります)。

 

これらのことにより、障害児に対するサービス体系は以下のようになりました。

 

●障害者綜合支援法に基づくサービス

・居宅サービス

①居宅介護(ホームヘルプ)

②重度訪問介護

③行動援護

④同行援護

⑤重度障害者等包括支援

⑥短期入所(ショートステイ)

 

●児童福祉法に基づくサービス

・障害児通所支援

①児童発達支援

②医療型児童発達支援

③放課後等デイサービス

④保育所等訪問支援

 

・障害児入所支援

①福祉型障害児入所施設

②医療型障害児入所施設

 

サービス利用までの流れは、障害者とほぼ同様ですが、以下のような流れになります。

①保護者が市町村に相談・申請を行います。

②現在の生活や障害の状況についての調査を行います。

③調査の結果をもとに審査・判定が行われ、支給要否の決定が行われます(障害程度(支援)区分の認定は行われません)。

④「障害児支援利用計画案(児童福祉法)」もしくは「サービス等利用計画案(障害者自立支援法)」や申請者の要望などをもとに支給決定が行われ、受給者証が交付されます。

⑤サービスを提供する事業者を選択、契約を交わし利用計画を市町村に提出したうえで、サービス利用を開始します。

 

SPONSORED LINK
障害者自立支援制度における利用者負担と相談体制

<利用者負担>

 

障害者総合支援法における利用者負担は、利用者の負担能力に応じた負担(応能負担)が原則となっています。

 

その仕組みは、まず、障害福祉サービスを利用した人は、原則としてサービス費の1割(定額負担)と光熱水費や食費などの実費を負担します。

 

そのうえで、障害福祉サービス費は、利用者の負担能力に応じた4段階の負担上限月額が設定されていて、それ以上の負担はありません。

 

生活保護世帯や市町村民税非課税の低所得者世帯は負担上限月額が0円に設定されており、費用負担はありません。

 

また、食費や光熱水費の実費負担に対しても、収入に応じた減免措置が講じられています。

 

この他、同一世帯で複数のサービスを利用する場合などで、月ごとの世帯での利用者負担額が高額になる場合、基準額を上回る部分について「高額障害福祉サービス等給付費」が支給されます。

 

この合算の対象となるサービスは、障害者総合支援法における障害福祉サービス費と補装具費の利用者負担額、介護保険法に基づく一部のサービス費の利用者負担額、児童福祉法に基づく障害児支援(入所・通所)の利用者負担額です。

 

また、介護給付費、訓練等給付費について、市町村に申請後、支給決定前に緊急な理由によりサービスを利用した場合、申請日にさかのぼり、特例介護給付費、特例訓練等給付費が支給されます。

 

<相談支援体制の強化>

 

平成22年12月の障害者自立支援法(現総合支援法)の改正で、相談支援体制を強化するため、以下のような改正が行われました。

 

① 相談支援の充実させるため、これまでの相談支援の定義の見直しが行われ、自立支援給付に含まれる相談支援が以下の3つに分けられました

  • 基本相談支援:相談、情報提供、助言、連絡調整等を総合的に供与する
  • 地域相談支援:施設入所者等の地域への移行相談、単身の居宅生活者に対する連絡体制・緊急対応の相談
  • 計画相談支援:サービス等利用計画の作成、検証、見直し、変更など

 

※基本相談支援と地域相談支援を行う事業を一般相談支援事業、基本相談支援と計画相談支援を行う事業を特定相談支援事業といいます。

 

② 地域における相談支援体制の強化を図るため、市町村は、地域における中核的な機関として「基幹相談支援センター」を設置することができるようになりました。

基幹総合支援センターは、市町村直営のほか、社会福祉法人やNPO法人に委託できます。

 

③ 「自立支援協議会」が法律上位置付けられました。

「自立支援協議会」とは、障害のある人と障害のない人が共に暮らせる地域をつくるため、困難事例の協議、ネットワークづくり、障害福祉計画の進捗状況の評価など、障害福祉に係る関係機関が情報を共有し、地域の課題解決に向け協議を行うための会議です。

市町村が行う地域生活支援事業(障害者相談支援事業)の中に位置づけられ、障害者団体や福祉サービス事業所、教育、保健医療、企業など障害福祉に係る関係機関で構成されています。

 

SPONSORED LINK
個人の権利を守る制度・消費者の保護

個人の権利を守る法制度では、「成年後見制度」「日常生活自立支援事業」「高齢者虐待防止法」「障害者虐待防止法」「児童虐待防止法」などが特に重要ですが、ここでは消費者保護に関する制度と個人情報保護について説明します。

 

最近、虐待や悪徳商法、詐欺など社会的弱者の権利や尊厳を侵害する事件が多発しています。

高齢者や障害者などと身近に接する機会の多い介護福祉士は、関連する法制度の知識を持つことが期待されていることから、消費者保護に関する問題は出題される可能性が高いと思われます。できるだけ覚えるようにしましょう。

 

①消費者基本法

 

消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立支援」を基本理念とした、消費者政策の基本となる法律で、わが国の消費者政策は、この法律に添って進められます。

 

この法律は、昭和43年に制定された「消費者保護基本法」がその後の急速な経済成長、販売方法の多様化、IT化や国際化の進展などの消費者を取り巻く環境の著しい変化を背景に、消費者が安全で安心できる消費生活を実現させるために、平成16年に改正され「消費者基本法」となったものです。

 

消費者基本法では、「消費者の権利の尊重」とともに、消費者が保護される立場としてだけではなく自主的・合理的に行動できるように支援していくことが規定されています。

 

また、消費者基本法の制定によって、「消費生活センター」が、消費者保護を目的とした都道府県・市町村(特別区を含む)の行政機関として設置されました(名称は設置する自治体によって違うところがあります)。

 

消費生活センターでは、主に以下の仕事を行っています。

・消費生活相談:消費生活全般に関する相談

・サービスへの苦情や相談、問題解決など

・情報提供・啓発活動:消費者被害の未然防止、暮らしに役立つ情報の提供など

・その他:生活用品や食品の品質・性能についての商品テストなど

 

消費者問題を取り扱う国の機関としては、消費者庁(2009年発足)と国民生活センター(1970年設立、2003年独立行政法人化)があります。

国民生活センターは、国民生活の安定と向上に寄与するための調査・研究、情報の提供を行い、事業者と消費者との間に生じた紛争の合意による解決なども行っています。

また、消費者庁の発足により、統一電話番号による「消費者ホットライン」が展開されており、最寄りのセンターに電話がつながり、2015年7月1日からは「イヤや!」の語呂合わせとなる「188」番でも受付するようになりました。

②消費者契約法

 

消費者契約法は(平成12年制定、翌年施行)、商品取引を巡る契約に関する法律で、次のような場合に消費者は契約を解除できることとなりました。

 

・事業主が勧誘に際して、重要事項について事実と異なる説明をし、消費者が誤認 して契約を行った場合

・将来的な変動が不確定なことを断定して契約した場合

・消費者に不利なことを故意に説明せずに契約した場合

・事業主に帰ってほしいと言っても帰らないで契約した場合

このような場合に、誤認等に気づいて6か月以内、契約時から5年以内で、すべての契約に適用されます。

 

③クーリングオフ制度

 

クーリングオフ制度とは、訪問販売などで、商品の購入、クレジット契約、生保・損保保険契約などを行った場合、一定期間内であれば、販売者側に書面で通知することによって、無条件で契約を解除できる制度です。

店舗に出向く、通信販売を利用するなど消費者が自分の意志で購入した場合は該当しません。

 

一定期間とは、訪問販売や保険契約など多くのものは8日間、マルチ商法などは20日間です。

 

※特定取引法及び割賦販売法の改正 クーリングオフ制度もこれらの法律に基づく制度ですが、最近の高齢者に対する悪徳訪問販売や、インターネット取引でのトラブルなどに対応するために、訪問販売、クレジット業者、インターネット取引への規制の強化などについて法律の改正が行われました。

 

④製造物責任法(PL法)

 

製造物責任法は、製造者の責任を定めた法律のひとつです。

 

製品の使用中、消費者が生命、身体または財産に損害を受けたとき、それが製品の欠陥によるものであったことを証明できれば、損害賠償が受けられるというものです。

製造者の「故意、または過失」とは無関係に賠償を受けることができます。

 

⑤消費生活用品安全法

 

消費生活用品安全法(昭和49年施行)は、一般家庭向けの製品による危害を防ぐため、国が事故情報を集めて提供することなどを定めた法律です。

 

平成18年の改正で、死亡・火災など重大事故が発声した場合、製造業者等に、製品の欠陥が原因と判明してから10日以内に報告することが義務づけられました。

 

また、平成19年の改正では、ガス瞬間湯沸かし器など、経年劣化により危険が生じるおそれがある場合には、標準使用期間・点検期間等を表示する長期使用製品安全点検・表示制度が創設されました。

 

子どもの安全を守るための安全なライターなどもこの法律によるものです。

SPONSORED LINK

このページのトップへ

Copyright © 2017 介護福祉士無料受験対策講座+ All Rights Reserved.
シアリス