介護福祉士国家試験・わかりやすい解説で受験生を応援します

Sponsord Link

高齢者虐待防止法

近年、高齢者虐待が大きな社会問題となっていますが、高齢者の権利擁護の観点から、2006(平成18)年に高齢者虐待防止法が施行されました。

 

この高齢者虐待防止法も頻出問題ですが、第25回では名称だけは出ましたが、そのものの問題は出ませんでした。
高齢者虐待防止法に関する重要ポイントは以下の通りです。

 

1.正式名称は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」といい、虐待を受けている高齢者だけでなく、虐待をしている養護者をも支援する法律であることが特徴です。

 

2.それまでできなかった、高齢者虐待の現場へ市町村の立ち入りを認め、行政が早期に介入できるようになりました。これは、地域包括支援センターに業務の委託ができます。

 

3.この法律で規定している虐待の定義には次の5類型があります。重要ですので必ず覚えましょう。

 

①身体的虐待

②養護を著しく怠ること(ネグレクト・介護放棄)

③心理的虐待

④性的虐待

⑤経済的虐待

 

4.高齢者虐待を家庭で養護する養護者による虐待と養介護施設従事者等(要介護施設ではありません)による虐待に分けています。

 

5.養護者による虐待では、市町村による相談・助言等の支援のほか、高齢者の生命・身体に重大な危険が生じているような虐待を発見した場合の市町村への通報義務などが規定されています。

 

6.養介護施設従事者等による虐待では、施設従事者への研修の実施や苦情処理体制の確立が規定されています。
また、通報義務に関しては高齢者に重大な危険が生じていなくても、虐待を発見した場合には、市町村に通報することが定められており、養護者による虐待よりも1ランク厳しくなっています。

 

●高齢者虐待の実態

 

高齢者虐待では、その傾向も問題に出ることがあります。正確な数字はともかく、大まかな特徴はつかんでおきましょう。

 

1.2014(平成26)年度の厚生労働省「高齢者虐待防止法に基づく調査結果」では、相談・通報件数が、養介護施設従事者等によるもの1,120件、養護者によるものが2万5791件で、養介護施設従事者等によるものが増加傾向にあり、養護者によるものはほぼ横ばいです。

 

2.虐待の種類では、養介護施設では、①身体的虐待(66.9%)、②心理的虐待(42.1%)、③介護等放棄(22.1%)で、経済的虐待(20.9%)、性的虐待の順になっています。

また、虐待を受けた高齢者のうち、「身体拘束あり」は39.0%でした。

養護者では、①身体的虐待(64.5%)、②心理的虐待(37.4%)、③経済的虐待(25.0%)、④介護放棄(24.8%)となっています。

 

3.養介護施設の種類別では、①特別養護老人ホーム(31.7%)、②有料老人ホーム(22.3%)、③グループホーム(13.3%)となっています。

 

4.養護者による虐待において、虐待者の続柄では、①息子(40.3%)、②夫(19.6%)、③娘(17.1%)の順になっており、同居の有無では同居が86.8%となっています。

 

5.被虐待者の特徴としては、後期高齢者、女性、認知症のある人が多いという傾向があります。

 

 

SPONSORED LINK
障害者虐待防止法

 

新しくできた制度などは、出題されやすいポイントのひとつですが、前出の「高齢者虐待防止法」の後、2011(平成23)年6月に「障害者虐待防止法」が成立しました。

 

高齢者虐待防止法の方が、出題される確率は高いと思われますが、高齢者虐待防止法と障害者虐待防止法の同じところと違うところなどを、一応押さえておきましょう。

第26回の試験問題では、この法律に関する全般的な問題が出題されました。

 

障害者虐待防止法の正式名称は、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」といい、障害者への虐待が障害者の尊厳を害し、障害者の自立と社会参加のために虐待の防止が重要であるという背景から作られました。施行は2012(平成24)年10月です。

 

この法律の内容は、障害者への虐待防止、虐待の予防及び早期発見、虐待を受けた障害者の保護及び支援、養護者に対する支援などで、「高齢者虐待防止法」ほぼ同内容となっています。

虐待の定義(5類型)も同じです(わからなかったら前回を参照してください)。

 

障害者虐待防止法と高齢者虐待防止法の大きな違いは、障害者は就労することが想定されていますので、高齢者虐待防止法が、「養護者による虐待」と「養介護施設従事者等による虐待」を規定しているのに対し、「障害者福祉施設従事者等」 のほか、「使用者による虐待」についても規定している点です。

 

●その他のポイント

 

この法律における障害者とは「障害者基本法」に規定する障害者で、「身体・知的・精神障害その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とされています。

 

障害者虐待対応の窓口として市町村に「市町村障害者虐待防止センター」、都道府県に「都道府県障害者権利擁護センター」を設置することになりました。

 

養護者と障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、「速やかに市町村に通報しなければならない」とされていますが、使用者による虐待の場合は、「市町村又は都道府県に通報しなければならない」となっています。

 

 

SPONSORED LINK
児童虐待防止法

 

虐待防止に関する法律には、高齢者虐待防止法、障害者虐待防止法のほかに、児童虐待防止法(正式名称「児童虐待の防止等に関する法律」)があります。

 

他の法律に比べて出題される頻度は少ないと思われますが、昨今児童虐待に関する事件が多数報道されていますので、他の法律との違いなどをチェックしておきましょう。

 

この法律は2000年(平成12年)11月に施行され、対象者を保護者が監護する児童(18歳未満の者)としています。

 

第3条に「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。」と規定され、他の法律のような擁護者に対する支援の条項はありません。

 

虐待の定義は、①身体的虐待、②性的虐待、③ネグレクト、④精神的虐待の4種類で、経済的虐待はありません。

 

また、2004年(平成16年)の改正で、保護者だけでなく、同居人による虐待を保護者が放置することもネグレクトとして児童虐待に含まれること、児童の目の前で配偶者に対するDVが行われること等、直接児童に対して向けられた行為ではなくても、児童に著しい心理的外傷を与えるものであれば児童虐待に含まれることなどが加えられました。

 

第6条には通告義務が規定されて庵、現に虐待を受けていなくても、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに福祉事務所・児童相談所に通告しなければならないとされています。(通報ではなく通告なので注意しましょう)

 

このほか、第9条においては、都道府県知事は、出頭を求めたり立ち入り調査を行うことができると定められ、保護者が拒否する場合は、裁判所の許可を得て強制捜査を行うことができるとされています。

 

SPONSORED LINK

このページのトップへ

Copyright © 2017 介護福祉士無料受験対策講座+ All Rights Reserved.
シアリス