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社会保障制度の体系

 

「社会保障の基本的な考え方」で述べたように、日本の社会保障制度を体系的にみるときは、次の5つの分類でみていきます。

 

①公的扶助

②社会保険

③公衆衛生及び保健医療

④社会福祉

⑤老人保健

 

このうち、受験のために特に重要なのは①公的扶助、②社会保険、④社会福祉です。

 

また、⑤老人保健は、以前75歳以上(一部65歳以上)の高齢者に対し、健康手帳の交付、医療・保健サービスの提供を行っていましたが、2008(平成20)年からは、後期高齢者医療制度に移行し、②社会保険に位置付けられるようになりました。

 

 

◆社会保険と公的扶助

 

社会保障制度の中でも中心となるのが、社会保険と公的扶助です。

 

両者の大きな違いはその財源で、社会保険が保険料を主な財源とするのに対し、公的扶助は公費(税金)を財源としているところです。

 

社会保険で重要なポイントを下記に挙げておきます。

 

1.社会保険には、①年金保険、②医療保険、③介護保険、④雇用保険、⑤労働者災害補償保険(労災保険)の5つの制度があります。この5つは重要ですので必ず覚えましょう。

 

2.社会保険は、ある一定の条件を満たす人は必ず加入しなければならない「強制保険」です。

 

自動車の任意保険と強制(自賠責)保険を思い浮かべればわかると思いますが、任意保険は嫌なら加入しなくてもよいが、強制保険は、自動車を保有すれば必ず加入しなければなりません。

 

3.社会保険では、各制度に該当する保険事故にあったとき、保険給付がなされ、経済的に困窮するのを防ぎます。

 

ここで、「保険事故」とは、保険給付の原因となる出来事のことで、保険事故が発生することによって収入の減少や多額の出費を伴うものです。

 

保険と対象となる保険事故

 

①年金保険:老齢、障害、死亡

②医療保険:疾病、負傷、出産、死亡など

③介護保険:要介護状態、要支援状態となること

④雇用保険:失業、引退、高年齢、育児休業、介護休業

⑤労働者災害補償保険:業務災害、通勤災害による傷病等

 

4.保険を運営する主体を保険者、加入して保険料を支払い、保険給付を受ける人を被保険者という

 

社会保険の保険者は、ほとんどが国(政府)ですが、医療保険では、市町村(特別区含む。)や健康保険組合、共済組合も保険者となります。介護保険の保険者も市町村です。

 

5.社会保険は、対象とする区域・領域により、職域保険と地域保険に、加入期間と保険給付期間の長短によって短期保険と長期保険に分けられます。

 

※公的扶助については、生活保護制度で詳しく紹介します。

 

ここでは、社会保険が「防貧的機能」を持つのに対し、公的扶助が「救貧的機能」を持つことと、公的扶助が「持てる財産、能力を活用しても、貧困のため最低限の生活を営めない」ときに支給される、最終的なセーフティネットであることを覚えておきましょう。

 

 

◆社会福祉

 

社会福祉とは、社会保障制度の一環として,生活困窮者,障害者,児童,老人などの社会的に援護を要する者の自立と社会参加をうながす事業とされています。 戦前は社会事業と呼ばれ、所得補償が中心でしたが、戦後は新しい憲法の理念に基づき,サービスの保障に重点が置かれるようになりました。

 

社会福祉には、①児童福祉、②障害者福祉、③高齢者福祉、④社会手当(児童手当)があります。

 

 

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年金保険

 

日本の公的年金制度は、すべての国民が加入する、「国民年金」とその他の「被用者年金」に分けられており、幣制27年10月までは、①国民年金、②厚生年金保険、③国家公務員共済組合、④地方公務員等共済組合、⑤私立学校教職員共済制度の5つの制度がありました。

(被用者とは、他人に雇われている人のことです)

 

その後、校務員および市立学校職員も構成年金に加入することになり、年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金の二階建ての制度に再編されました。

 

また、公的年金の上乗せとして、企業や個人が任意で加入することができる「私的年金」の制度があります。

現在の年金保険の体系は下図のようになっています。

 

◆国民年金の概要

 

・1985(昭和60)年の年金改革により、年金制度の一元化(基礎年金制度の導入)、被用者の妻のすべてに加入を義務付けたことにより、20歳以上60歳未満の全国民が加入することとなりました。

 

・国民年金の被保険者は、 ①20歳以上60歳未満の自営業者等の非被用者(第1号被保険者)、 ②厚生年金、共済組合の組合員等(第2号被保険者)、 ③第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者(第3号被保険者) に分けられます。

 

学生についても、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています(20歳以上の学生はよく問題にでます)。

 

・国民年金の給付の種類は、基本的なものとして①老齢基礎年金、②障害基礎年金、③遺族基礎年金に分かれ、このほか④寡婦年金、⑤死亡一時金、⑥付加年金があります。

 

・老齢基礎年金は、原則として加入期間が25年以上ある者が65歳に達したときに支給されます(20歳~60歳まで40年間保険料を納めた者に満額が支給され、それ以外は保険料を納めた月数により支給される金額が変わります)。

 

ただし、平成29年8月からは、加入期間25年以上が10年以上に改正され、一定の要件を満たせば年金が受給できるようになりました。

 

また、本人の希望により60~64歳の期間での繰り上げ支給、65歳以降の繰り下げ支給を行うことができます。当然、繰り上げは減額、繰り下げは増額となります。

 

・老齢基礎年金では、現役世代の3人で1人の高齢者を支えていると言われています。

 

 

◆厚生年金の概要

 

・厚生年金の被保険者は適用事業所(常時5人以上の従業員を使用する個人事業所、法人の事業所、船舶)に使用されている70歳未満の民間の被用者です。

 

・厚生年金は、国民年金の基礎年金に上乗せして支給される(支給要件を満たした場合)「二階建て」、の構造になっています。

 

 

・厚生年金の保険料は給与から算出される「標準報酬月額」と賞与から算出される「標準賞与額」に保険料率をかけ、被保険者と事業主が折半して負担します。給与と賞与の両方が対象となることを「総報酬制」といい、2003(平成15)年から実施されています。

 

 

◆私的年金

 

・私的年金には、確定給付年金、確定拠出年金、厚生年金基金、国民年金基金があります。

・厚生年金基金と確定給付企業年金は、あらかじめ確定した給付額を賄うのに必要な掛金を企業が拠出、確定拠出年金は、従業員自らが掛け金を拠出して運用する年金です(自営業者等も個人型に加入することができます)。

 

・厚生年金基金は、平成25年の法改正により、平成26年4月1日以降の新設ができなくなったため、今後は廃止の方向になっています。

 

 

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医療保険

 

医療保険は大きく分けると国民健康保険と健康保険などの被用者保険に分けられます。

 

国民健康保険は市町村等が保険者となる地域保険(自営業者が加入する国民健康保険組合は職域保険)、被用者保険は職域保険に分類されます。

 

また、被用者保険は、

 

①大企業のサラリーマンなどが加入する「組合管掌健康保険(組合健保)」、

②中小企業のサラリーマンが加入する「全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)」、

③国家公務員、地方公務員、私学教職員が加入する「共済組合」、

④船員が加入する「船員保険」

があります。

 

医療保険における自己負担割合は、すべての医療保険で一律に

①義務教育就学後~69歳:3割、

②義務教育就学前及び70~74歳:2割(一定以上所得者は3割)

③75歳以上は後期高齢者医療費制度

となっています。(平成28年3月現在)

 

医療保険制度において、1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合、「高額療養費」として、償還払いで給付が行われ、医療保険と介護保険の自己負担の合計が一定額を超えた場合は「高額介護合算療養費」として償還が行われます。

 

これとは別に75歳以上の高齢者と、65歳以上75歳未満の寝たきり高齢者等は「後期高齢者医療制度」に加入します。

 

後期高齢者医療費制度は、実施主体が「後期高齢者医療広域連合」で都道府県単位で設定され、すべての市町村が加入しています。

また、患者負担は原則1割ですが、現役並みの所得のある人は3割負担です。

 

 

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