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保険給付と利用者負担

 

◆居宅介護《介護予防》サービス費と区分支給限度額

 

要介護者《要支援者》が指定居宅《指定介護予防》サービス事業者から指定居宅《指定介護予防》サービスを受けたとき、居宅介護《介護予防》サービス費が給付されます。

 

居宅介護《介護予防》サービス費とは、サービスの種類、要介護《要支援》状態区分(要介護度、要支援度のことです)、地域等を勘案して算定される、「介護報酬基準額」の9割(または8割)に相当する額のことです。

 

 

また、要介護《要支援》状態区分ごとに、支給限度基準額が定められており、利用したサービスの介護報酬基準額の合計がその範囲内であれば居宅介護《介護予防》サービス費が支払われることになります。

 

つまり、支給限度基準額の範囲を超えた場合は、居宅介護《介護予防》サービス費は支払われず、全額自己負担となります。
なお、地域支援事業の介護予防・生活支援サービスである訪問型サービスや通所型サービスについては、原則として、指定事業者の行うサービスはこのような限度額の管理が行われます。

 

要支援者は、従来の予防給付と合わせて予防給付の支給限度額の範囲内で予防給付と生活支援サ事業を一体的に限度額管理をします(要支援者以外の事業対象者の限度額は市町村が定めますが、予防給付の要支援1の限度額を目安とします)。

 

各要介護状態区分等の支給限度基準額の単位数は以下のとおりです(各単位数までは覚える必要はありませんが、大まかにイメージをつかんでください)。

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◆償還払いと現物給付

 

介護保険法における保険給付の受け取り方の原則は、「償還払い」です。

償還払いとは、いったん、利用したサービスの費用を全額利用者が支払い、後で支払った費用の保険給付分を払い戻してもらう方法です。

 

しかしこれでは、利用者の金銭的な負担が大きく、煩雑な事務手続きも行わなければならず、サービスが利用しにくくなってしまいます。

このため、一定の要件を満たせば「法定代理受領方式」が利用でき、利用者は利用した費用のうちの保険給付分を除いた利用者負担分のみを支払いで済むようになります。これを「現物給付」といいます。

 

代理受領とは、利用者を代理して事業者が保険給付分を受領するという意味です。

指定サービス事業者から指定サービスを受けた場合などは一定の要件を満たしたことになります。

 

このように、法律上は償還払いが原則ですが、実際の運用では現物給付が原則となるため、試験に「介護保険制度が現物給付か現金給付か」という問題が出たら、現物給付が正解です。

 

◆利用者負担の軽減

 

介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、かかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割)です。

介護保険施設を利用した場合は、1割(また2割)負担のほかに、居住費(短期入所の場合は滞在費)、食費、などの負担も必要です。

 

ただし、利用者負担が過重にならないよう、低所得者や1か月の利用料が高額になった人については、下記のような負担の軽減措置が設けられています。

 

<特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)>

介護保険施設入所者の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。

 

<高額介護サービス費>

月々の1割負担(福祉用具購入費等一部を除く)の世帯の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給されます。

 

<高額医療・高額介護合算制度>

同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減されます。決められた限度額(年額)を500円以上超えた場合、市区町村に申請をすると超えた分が支給されます。

 

 

市町村・都道府県・国の役割

 

(普通は「国・都道府県・市町村」の順ですが、あえて逆にしています)

 

介護保険制度は、市町村・都道府県・国でそれぞれ役割を担って運営されています。

 

試験問題としては、市町村と都道府県を入れ替えるような問題が多く出ます。細かく覚えることも必要ですが、それぞれの役所としての役割を考えると、大体のことはわかるようになります。

 

まず市町村ですが、市町村は介護保険の保険者としての役割(保険料を集めて保険給付を行う、被保険者の資格を管理するなど)と、住民に一番身近な役所として、直接住民と応対するような役割があります。

 

都道府県は市町村の上級官庁として、市町村を支援、また指導・監督をする立場です。 このほか、介護支援専門員の資格等に関する事務も行っています。

 

国は、法律を定め、制度全体の枠組みや方針を決めます。また、都道府県や医療保険者、年金保険者と協力し、保険者である市町村を重層的に支えています。

 

 

(1)市町村の役割

 

・被保険者の資格管理(台帳の作成、被保険者証の発行・更新など)

・要介護認定・要支援認定(介護認定審査会の設置など)

・保険給付の管理(審査・支払など)

※介護給付、予防給付、市町村特別給付のサービス費用の90%(または80%)に当たる額を支給します。ただし、実際には審査・支払事務は「国民健康保険団体連合会(国保連)」に委託して行われます。

・地域密着型(介護予防)サービス、介護予防支援事業者に対する、指定・指導・監督

・地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業)及び保健福祉事業(市町村独自の事業)

・市町村介護保健事業計画の策定(3年を1期として策定、都道府県計画との名称の違いに注意)

・保険料に関する事務(第1号被保険者保険料の設定・徴収など)

・会計に関する事務(介護保険特別会計の設置など)

・条例・規則等に関する事務

 

(2)都道府県の役割

 

・要介護認定等に関する市町村の支援(要介護認定審査の受託、介護保険審査会の設置・運営など)

・居宅(介護予防)サービス事業者、居宅介護支援、介護保険施設の指定・指導・監督

・介護サービス情報の公表

・介護支援専門員の養成・登録等に関する事務

・財政的な支援(財政安定化基金の設置、国・市町村とともに保険給付の一部を負担)

・都道府県介護保険事業支援計画の策定

・介護保険審査会の設置

 

(3)国の役割

 

・基本的な枠組みの設定 ・制度運営に必要な各種基準等の設定(要介護・要支援認定基準など)

・財政定期な支援(調整交付金の交付、財政安定化基金への財政支援、保険給付の一部負担)

・支払基金、国保連等に対する指導・監督・助言

・市町村・都道府県に対する援助など

※たくさんありすぎて覚えにくかったら、まず、市町村から固めていくことをお勧めします。

 

 

居宅サービス・介護予防サービス(1)

 

ここからは、介護保険の様々なサービスについて、少し詳しく見ていきます。 まず、居宅サービスですが、介護予防サービスも同様のサービスが多いので、一緒に覚えましょう。

 

居宅サービス(介護予防を含む)が提供できるのは、都道府県知事から指定を受けた「指定居宅介護サービス事業者」です。

 

 

ただし、法人格がないなど人員・設備・運営基準の一部を満たしていないために指定事業者になれない団体でも、指定事業者と同等の質があり、市町村が認めた場合は「基準該当サービス」として保険給付の対象となるサービスを提供することができます(施設サービスなどには基準該当はありません)。

 

①訪問介護

 

居宅(ケアハウスや有料老人ホーム、養護老人ホームなどを含む)において、介護福祉士、訪問介護員から日常生活の世話を受けるサービス。

 

サービスの種類は「生活援助」と「身体介護」、またはその組み合わせですが、道路運送法の許可を得て訪問介護員が運転する車両で通院し、乗車降車等の介助を行う「通院等乗降介助」があります。

 

「生活援助」とは、調理、洗濯、掃除、買い物などの日常生活の援助ですが、原則として同居家族がいる場合は保険給付は認められません(同居家族に障害や疾病その他の理由があり、家事を行うことが困難な場合は認められます)。

「身体介護」とは、食事、入浴、排泄、移乗・移動など、利用者の身体に直接接触して行う介助のことです。通院や外出の援助も含まれます。

「生活援助」と「身体介護」にはそれぞれに要する準備や後片付けも含まれます。

 

介護報酬はサービス提供の時間によって決められていますが、平成24年4月の介護保険の改正で、短時間の身体介護(20分未満)の時間区分がが新たに追加されました。

 

なお、要支援者に対する同様のサービスは、平成26年の介護保険法改正で、地域支援事業の「訪問型サービス」に移行されましたので、予防給付にはなくなりました。

 

訪問介護事業所の人員基準では、常勤の管理者、常勤で専従のサービス提供責任者1人以上、訪問介護員(介護福祉士、介護職員基礎研修修了者、ヘルパー1・2級)が常勤換算方法(注1)で2.5人以上となっています。

 

(注1)常勤換算方法とは、事業所の従業者の勤務時間数を常勤の勤務する時間数(32時間未満の場合は32時間)で割ることによって、その事業所の従業者の数を常勤の数に換算する方法をいいます。

少しややこしいですが、常勤の勤務時間が40時間/週の事業所で、30時間/週の人が2人いたら、「30+30=60、60÷40=1.5」で常勤換算1.5人となります。

 

現在は、介護職員の資格制度が変わり、ホームヘルパー2級が介護職員初任者研修に、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修が実務者研修になっています。

平成28年度からの介護福祉士の資格取得に、この実務者研修の修了が義務付けられました。

 

他のサービスもほぼ同様ですが、訪問介護では、サービス提供責任者が「訪問介護計画」を作成し、その計画に基づいて介護サービスが提供されます。

また、この計画は居宅サービス計画に沿って作成されなければなりません。

 

②(介護予防)訪問入浴介護

 

(介護予防)訪問入浴介護は、居宅を訪問し、浴槽を持ち込んで入浴の介護を行うサービスです。

 

人員基準は、看護職員(注2)1人以上、介護職員2人以上、常勤の管理者1人となっています (介護予防訪問入浴介護では、介護職員は1人以上)。

実際のサービスは、看護職員1人と介護職員2人(予防は1人)で訪問します。介護職員3人(予防は2人)での提供も可能ですが、介護報酬は減算となります。

 

(注2)看護職員とは、看護の業務を行う職種の名称で、看護師・准看護師のどちらも看護職員と呼ばれます(保健師も含まれます)。看護師・准看護師という資格の名称とは違いますので注意しましょう。

 

③(介護予防)訪問看護

 

(介護予防)訪問看護は、病状が安定期にあり、訪問看護を必要とする人で、主治医が認めた要介護者等に対し、居宅において看護師等が療養上の世話または診療の補助を行うサービスです。

 

急性増悪時や末期の悪性腫瘍などの場合は、医療保険から訪問看護が提供されます。

 

看護師等とは、保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のことです。

 

人員基準は、常勤の管理者(原則として保健師または看護師)、看護職員(保健師・看護師・准看護師)が常勤換算で2.5人以上、理学療法士等は必要数、となっています。

 

訪問看護を提供する事業所は、病院・診療所と訪問看護ステーションですが、病院・診療所の場合は、保険医療機関の指定を受けていれば特に申請をしなくても、介護保険の訪問看護の指定があったとみなされます(みなし指定といいます)。

 

試験にあたって、訪問看護での注意点は、

ア)医療系のサービスなので医師の指示が必要なこと、

イ)理学療法士等が行うリハビリテーションも訪問看護のサービス内容に含まれること(訪問リハビリテーションとは別です)、

ウ)家族もケアの対象ととらえること(家族支援もサービス内容に含まれます) などです。

 

④(介護予防)訪問リハビリテーション

 

(介護予防)訪問リハビリテーションは、病状が安定期にあり、理学療法等を必要とする人で、主治医が認めた要介護者等に対し、居宅において心身機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるためにリハビリテーションを行うサービスです。

 

医学的管理下におけるリハビリテーションには、急性期・回復期・維持期がありますが、介護保険では、維持期の要介護者等に対するリハビリテーションが提供され、急性期・回復期の患者には医療保険から提供されます。

 

人員基準は、「理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を置く」とされていますが、人数などの基準は定められていません。

 

サービスを提供する事業所は、病院・診療所と介護老人保健施設です。

 

⑤(介護予防)居宅療養管理指導

 

(介護予防)居宅療養管理指導は、通院や通所が困難な利用者に対し、指定居宅療養管理事業所の該当する職種が、居宅を訪問し、療養上の管理及び指導を行うサービスです。

 

該当する職種とは、医師・歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士等、看護職員です。

 

サービスを提供する事業所と人員基準は、

ア)病院・診療所:医師・歯科医師のほかサービスに応じて、薬剤師・歯科衛生士等・管理栄養士を適当数

イ)薬局:薬剤師を適当数

ウ)訪問看護ステーション:看護職員を適当数 となっています。

 

 

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